02.生前手記
生前手記‐水城涙‐
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12月25日
今日から俺も晴れて黒猫の一員だ。
彼奴に俺達が拾われてから、本当に色々あった。
特に、彼奴が俺が必死に守っていた子供達を使って俺に試験を出してきたときの事は良く覚えている。
あの時、本気で彼奴を殴ったな。今考えればありえない事だが、自業自得だ。
だが、それがあったことでこうやって彼奴が俺を認めてくれた訳なのだから、子供達には申し訳ないが、少し嬉しい。
これで目標だった彼奴に少し近づくことが出来る。
すぐに追い越してやるから、待っていろ。
これから黒猫に入った記念に、日記でも書いて行こうと思う。
後で彼奴に見せてやろうかな。
どういう顔をするのか楽しみだ。
1月23日
俺は黒猫の事を教わったら、すぐに彼奴の下に置かれることになった。
彼奴は幹部だというのだ。
ドヤ顔で言って来たときにはそれはムカついたが、でも貧民街で俺達を一つの迷いなく拾い、そして服や飯を与えてくれるような優しい奴ならあり得ると納得した。
彼奴は今日、どうやら危険な任務に向かっていたらしく、他の部下達が騒いでいた。
でも、それでも彼奴は一つの傷も無く帰って来たらしい。
だから、「心配した」と言ったら、彼奴はなんて返したと思う?「可愛い」と叫んだんだ。
沢山の人達の前でそんな事言うな
恥ずかしいじゃないか
だけど、そんな俺の事も彼奴は「可愛い」と言う。
明日、一発殴ってやろう
8月11日
彼奴と訓練を始めてそろそろ半年。
訓練の日の後は筋肉痛とか、怪我が酷くて、
日記を書くことを早速サボってしまった
半年経って、少しずつ訓練にも慣れてきて、
こうやって日記を書けるようになってきた。
これからは出来るだけ欠かさず書くつもりではある。
彼奴の指導で負った怪我など、既に百を超えている。
それだけ彼奴はスパルタなのだ
でも、訓練が終わったら、
彼奴はすぐに傷を手当してくれる。
「不器用だから、よく感情が伝えられない」と謝りながら
だから、俺は言ってやった。
「不器用な割には頑張ってるだろ」と。
そしたら彼奴は不思議そうに俺を見て、
急に吹き出したんだ。
「ありがと」と言いながら
本当に良くわからない奴だ。
10月24日
今日、初めて彼奴と戦闘に向けた訓練をした。
彼奴は女。
躰も、力も俺の方が大きい筈なのに、
彼奴に触れる事さえ出来なかった。
これが経験の差?
単純に悔しかった。
勝てる訳ないと思っていたが、
実際負けてみると悔しい。
俺は、意外と負けず嫌いなのかもしれない
もっと強くなって、
彼奴に一泡吹かせてやりたい
そう思った。
明日からの訓練、
絶対に強くなってやる。
1月8日
五度目の戦闘訓練。
初めて俺は彼奴以外の奴と戦った。
相手は俺より全然強そ
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