第61話 混乱の後任人事
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塞では直ぐにFTLで軍務省へ連絡を行う。
『シュトックハウゼン、どうかした?』
緊急の報告だと聞きエーレンベルグ元帥が出てくる。
「はっ、叛徒がミュッケンベルガー元帥、オフレッサー上級大将、グライフス大将閣下の遺体を返還して来ました」
『なんと、そうであるか』
ミュッケンベルガーの死を聞いてエーレンベルグは、モノクルを弄り考える。
「如何為さいますか?味方の巡航艦が受け取って帰還しました」
『なるほどな、判った。遺体と共に巡航艦のスタッフも共にオーディンへ送り出すようにせよ』
「はっ」
ゼークトがその話を聞いて、パトロール艦隊に命令を出す。
「危険物などがないように、巡航艦を臨検後にイゼルローン要塞まで護衛し帰投せよ」
「はっ」
直ぐさま、巡航艦に臨検の為にパトロール艦隊から駆逐艦が接舷して行く。
臨検の結果、確かに、ミュッケンベルガー元帥、オフレッサー上級大将、グライフス大将の遺体を確認し、彼等が実際は降伏していたのであるが、それは隠して居た。彼等が潜伏した後叛乱軍の呼びかけで遺体を受け取り、各人の最後を記した記録を預かってきた事が判ったのである。
此により、5月30日にミュッケンベルガー元帥、オフレッサー上級大将、グライフス大将の遺体はオーディンへ到着した。その後最後が皇帝に詳しく伝えられた結果、罪は無しと決せられ、ミュッケンベルガーは元帥のママで葬られ、オフレッサーも元帥に叙され、グライフスは上級大将に叙された。
此により戦死者に対して鞭打つ行為は無くなり、生者に対する責任の取りようが問題になった。
シュトラウス中将は責任者として銃殺刑に処せられるところをフリードリヒ4世の『再起を決せよ』の一言で生きながらえ、同盟に対して復讐の念に燃えるのである。
ラインハルトは、ヴァンフリート星系での失敗から准将のママで有るはずが、最後のイゼルローン回廊突破により最低限度の損害で突破したとの事と、高級士官が軒並み戦死した影響で戦果が針小棒大に伝えられ、フリードリヒ4世の勅命で少将へと叙された。
実際には戦死したグリンメルスハウゼン中将の評価待ちであったが、それが敵わなかったためにフリードリヒ4世は自分で再度ラインハルトを試してみる気になり、少将の位を与えたのであった。それをラインハルトは全く気が付かずに居たのである。全ては皇帝の掌の上で踊っているとも知らずに。
少将への昇進はラインハルトも驚いたが、貰っておくモノは貰っておこうとありがたく頂くのであった。腹では皇帝の戦の事を知らない事を嘲りながらであった。その悪口を聞いたキルヒアイスは溜息をつくのであった。
帝国暦485年7月
■オーディン
6月を迎えても宇宙艦隊司令長官人事は未だ混迷の坩堝の中にあった。その為に臨時
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