02.生前手記
生前手記‐七星宙‐
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うです
あなたが私のすべて
だから、あなただけは
私のこと、わすれないで
わすれたくないよ
まだあなたのことわすれたくない
しぬのはこわくないけど
それよりもあなたのことをわすれていくことがこわい
しにたくないです
しにたくないです
まだあなたといきていたい
わたしのさいごのわがままを、ここにのこしておこうとおもう
けんかしたあのとき、どならないでほしかった
こわかった
あなたにきらわれたとおもったから
それから
さいごまであなたみたいに、つよいひとでいたかった
ひとをまもれるようなひとでいたかった
いつかあなたをわすれてしまうひが、きっときてしまうから
こんなふうにわかれるなら、あなたとであえたことはよろこばしいことだったのかな
でも
たとえあなたがないても、あなたのきおくのなかのわたしはわらっているとおもうから
どんなにつらくても、さいごにめをとじるとき
"あなたにであえてよかった"っておもうんだろうな
?
きょうも、またおきられた
めがさめてあんしんするまいにち
ねていたへやにはだれもいない
わたしはなんで、ここにねてたの
わたしはどうして、おきられてあんしんしてるの
わたしはどうして
きのうまで、となりにいたあのひとが
へやに、だれかがはいってきた
みどりいろっぽいいろの、かみのひと
めからみずがこぼれてる
あなたは
だ
れ
宙が起きるいつもの時間に部屋に行けば、そこには必死にノートに字を書き連ねている宙の姿
今日だけは、いつもと違かった
まだ、まだ
まだ逝くな
俺をおいて逝かないでくれ
「宙??」
宙の名を呼んでも、反応はない
自分の名前を、失ったのか
「…………だ…………れ?」
まだ、俺は琴葉に全てを伝えられてない
外套のポケットに入った小さな箱が揺れた
俺があの時、あの能力者さえ殺していなければこうはならなかった
怒りに任せて、殺すことが解決に繋がると思っていた幼い俺が
結局、一番大切な人を殺した
俺が宙を殺した
もう二度と、ずっと一緒だった頃には戻れない
「宙ちゃん?」
急に扉が開き、琴葉が入ってくる。
「琴葉……さん?」
「そうだよ……そうだよ?もうちょっと待っててね!?まだ逝かないで……?」
宙の手を握り、叫ぶ琴葉
「事実改変……七星宙の記憶は消えない」
握った手の中に静かに宿る、青白い光。
琴葉の目から流れた涙が、ぽつりとその手に落ちる
「事実改変……七星宙に呪いは発動していない……!」
肩が震えている。
「事実改変……七星宙は死なない?」
叫ぶ琴葉。
「事実改変、七星宙はこれからも生き続ける??」
一つ一つの言葉が部屋に反響する。
「事実改変?七星宙はずっと、ずっと……私達の事を忘れない??」
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