02.生前手記
生前手記‐七星宙‐
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めんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい
わすれちゃいけない人なのに
わたしが一番だいすきな人なのに
あなたはまだ、私のきおくがここまで無くなっていることにきがついていない
私のきおくのそうしつが、かんじが書けなくなってからすすんでないとおもってる
あんしんして、そこでずっと笑っていてよ
あなたに、めいわくはかけたくない
わたしはしなないから
?
今日、あなたとのかんけいがわからなくなった
この日記を見て、おもいだした
へやに入ってきたあなたが、なまえはわかるのに
ただの、知り合いだとおもってしまった
だいすきな、ほんとうに大切な人なのに私はなんてことを
もうどうにもならないのに、悲しくて悲しくて、ずっと泣いていた
それどころか、なぜ、私はここにいるのかもわからなかった
私はここで、なにをしているんだろうと
でもね、まだこの日記があるから
この日記があるうちは、おもいだせるよ、あなたのことも
でも、もうあたまに入るきおくにげんかいがきてるのはわかってる
1回おもいだしても、またすぐわすれていくの
私の中から、あなたがだんだんきえていくの
それが、この世界で一人ぼっちみたいですごくさみしい
?
もうそろそろ、私は、いなくなるのかな
あなたのなまえ、水城涙っていう字がもうよめない
この日記のどこかにかいてあったはずなのに、どれがあなたのひらがなよみなのかもわからない
あなたが水城涙であることは、わかってるのに
あなたのなまえが、呼べないの
水城涙という字が、なんてよんだらいいかわからない
だから、ねえ、とかあのさ、とかでしかよべなくなってしまった
でも、私
まだ、まだあなたのことがだいすきなことだけはわすれてないから
まだ、わすれてないから
だからまだ私は、あなたのそばにいられるね
?
つかれた
もうそろそろ、うでのうごかし方もわすれてしまうのかな
うでがおもくて、じがちゃんとかけない
それから、きょうはなんだか、とてもねむいの
でも、もしかしたらあした、私はあなたがだいすきなことをわすれてしまうかもしれないから
ここに、あなたへのおもいをかいておく
あしたの私がこれを見て、おもいだせるように
私は、水城涙がだいすき
それをわすれたら、私は消えてしまう
だからぜったいわすれてはだめなのに、どんどんわすれてしまう
あしたは、このページをずっと見ていて
私は、水城涙のこいびとで
私は、水城涙のことがだいすきであいしてる
これは私の中からあなたがきえても、変わらない
ずっとだいすきなのも、あいしてるのも、かわらないから
きおくを失っていく私をかわらずあいしてくれてありがとう
うごけなくなった私をかわらずあいしてくれてありがとう
あなたは私が生きるもくひょ
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