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繰リ返ス世界デ最高ノ結末ヲ
02.生前手記
生前手記‐七星宙‐
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方と頭領は能力の無い私を気遣って、書類整理や事務作業を回してくれた
貴方と頭領の任務の報告書を纏めて提出するのも、私の仕事になった
報告書を見れば、貴方と頭領の活躍を実際に見ていなくてもわかる
今日は沢山の人を殺したんだな、とか今日は護衛か、とか
いくら危ない仕事であっても、貴方は必ずこの執務室に帰って来てくれた
怪我を沢山負って、またそれを治療するのも私
貴方の綺麗な体に触れるのだけは、いつまでたっても慣れそうにないな

7月7日
また頭領と一緒にご飯を食べた。
そしたら、優しく「これからは『頭領』とかじゃなくて、『琴葉』でいいよ」って言ってくれたんだ。
最近二人の仕事を見ていて、私は頭領に嫉妬していた気がした。
だって、二人は互いに背中をくっつけて、楽しそうに戦っている時があるんだもの。
貴方が頭領に想いを寄せているのだと思った。
だけど、こんなに綺麗で、優しい人なのなら仕方ないよね。
でもね、頭領はね
「彼奴が好きなのは絶対に私じゃない。彼奴が好きなのは宙ちゃんだよ」
って、何のためらいもなく言うんだ。
私はそう思う理由を聞いてみたんだ。純粋に気になったんだもの。
そしたら、「宙ちゃんの前では普通にマスクを外してるからだ」って。
確かに仕事の時貴方はマスクを必ず付けていた。「血の匂いが嫌いだから」って。
「彼奴がマスクを外すのは、本当に信頼した人の前だけだよ」
私は嬉しかったんだ。
頭領の前だという事もかかわらず、飛び跳ねそうになった。
その日、私と琴葉さんは短冊にお互いの願い事を書いて、笹の葉に飾った。
後で琴葉さんの短冊を見たら、そこに「部下が一人もいなくならないように」と書いてあった。
やっぱり、あの人は優しい人だ。

8月7日
今日程幸せな日は二度と来ないと思った
貴方が、私の事を好きだと言ってくれた
照れくさそうに耳を真っ赤にして、一生懸命私に伝えてくれた
その場に泣き崩れて、貴方はまたオロオロして
貴方の返事に答えて、私も正直に伝えた
ここに入る前からずっと、好きだったと
そうしたら貴方は私の事を抱き締めて、泣いてた
初めて抱き締められて、貴方の温もりを直で感じて、私もつられて泣いてしまった
それでもまだ、実感がわかない
涙さんの恋人、だなんて
ああもう、この文を書くだけで、ニヤニヤしてしまう
きっと今日は寝れないなあ

11月10日
昨日、貴方が私を家に誘ってくれた
貴方は高層マンションのかなり上の階に住んでいた
普段こんな場所に行かないから、エレベーターの中で頭がクラクラしてしまった
貴方の部屋は、白と黒で揃えられたモノトーン調の部屋だった
男らしい部屋で、少しドキっとした
玄関には沢山のオシャレな靴が並んで、貴方の大好きな本も沢山棚に収めら
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