02.生前手記
生前手記‐七星宙‐
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そうしたら
会いたくて、大好きな貴方が私の部屋に駆け込んできてくれた
汗だくになって、布団に丸まって閉じこもっていた私に近づいて優しく抱き締めてくれた
涙が止まらなくなって、貴方の前でみっともない姿を見せてしまった
「すまない」って、ずっと貴方は謝って、それが辛くて
貴方のせいじゃないのに
4月23日
今日は朝から黒猫が大騒ぎだった
黒華幹部が大怪我をして拠点に戻って来たんだ。
腕の肘から下の部分が無くなっていて、脇腹や脚に銃弾が貫通した痕もあった。眼球も一つ失われていたらしい。
貴方は黒華幹部補佐だったから、すぐに医務室に向かった。
それでも医務室にはボスと、あと二人、知らない男性が心配そうに黒華幹部の顔を覗いていた。
その時、貴方は安心しきった顔をしていた。良かったと言った。
こんなこと思っちゃいけないんだけど、少し黒華幹部が羨ましかった。
嫉妬してたのかもしれない。
それからしばらく書き連ねてある日記のページをパラパラと捲り、2冊目を手に取った
3月13日
今日、貴方と同じ立場になった
私が正式に黒猫に入ってから約4年、能力がない私は最下級構成員からここまでのし上がってきた
貴方はにっこり笑って
「待ってた」って
貴方のその言葉が聞きたくて
4年間頑張って、苦しい事も悲しい事も沢山あった
やっと、やっと貴方の傍に居られる。えへへ、黒華幹部の補佐なのに、変だよね。
貴方が優しく微笑みかけてくれるから、あまりにも嬉しくて貴方の前で泣いてしまった
でも
この地位まで上り詰めるまで沢山の人を殺した
始めは中々人を殺せなくて、初めて人を殺した夜はずっと泣いていた
今ではもう、人を殺すのさえなんの躊躇いもなくなってしまった
この地位に比例するように、私は、たくさんのひと、を
3月31日
今日、黒華幹部がお昼ご飯を誘ってくれたんだ。
その途中でね、一人の橙色の髪の男性が来て、幹部に言ったんだ。「そっちはどうだ」って。
私は不思議に思ったんだ。だって、私が知っている人の中にその人が含まれていなかったんだもの。
そしたら、黒華幹部が説明してくれたんだ。
もちろんビックリしたよ。だって、黒華幹部は、本当は「幹部」じゃなくて、「頭領」だったんだもの。
黒猫には黒華幹部……じゃなくて、頭領が統べている、私が所属している「猫」以外に、後から来たその男性が頭領の「獅子」、もう一人の男性が頭領の「狼」があるらしい。
黒猫の本部と言うのは頭領とその補佐、そしてその3つの派閥を纏める首領、ボスで作られているらしい。
その日、貴方にその事を知っているか聞いてみたら、知らないって言ったね。初めて私が貴方に教えることができたね。
6月2日
頭領の補佐になってから、毎日がとても充実してる
貴
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