五匹め
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だが、もし『凍る』事を理解していたら?
「フェイズトランストゥソリッド!」
ピキッ!と音をたて、水の鳩は氷の鳩と化した。
氷結とは即ち水の状態変化。
そして固体化するには、冷却すればよい。
冷却するには、分子運動を抑制すればよい。
シラヌイは、それを知っていた。
「すごいですよシラヌイ君!」
「あ…でもめちゃめちゃ冷たい…」
「あそこの木陰にでも置いておきましょうか」
「うん」
シラヌイは庭の木の根元に氷の鳩を置いた。
「すごいですねぇシラヌイ君はぁ〜」
「あはは…」
そしてシラヌイとルルが木陰のベンチに腰をおろした。
「んー…土いけるかな…」
シラヌイは手の上に土を想像した。
「クリエイトソイル!」
が、何も起きなかった。
「うーん…やっぱり無理かぁ…」
「どうしたんですかシラヌイ君?」
「土は作れないみたいです」
「魔法を勉強し始めた初日で中級魔法を使えれば十分ですよ」
シラヌイが地面に手をぺたっと着けた。
「物質創造は無理……物質変換…いけるか…いや…危ないか…」
ぶつぶつと何かを呟くシラヌイをルルは不思議そうに見ていた。
「シラヌイ君?」
「いや…まずは…
クリエイトソイルキューブ」
土が盛り上がり、キューブが生まれた。
それを手に取ったシラヌイは満足げだった。
「クリエイトソイルスフィア」
土でできた真球。完全な真球をシラヌイは作って見せた。
シラヌイがイメージしたのは『真球の定義』である。
即ち、『三次元空間で原点から等しい軌跡の集合体』。
「なるほど…定義想像でここまで行けるか…」
シラヌイは四つん這いになって辺りからあるものを探し始めた。
「シラヌイ君?なにしてるんですかぁ?」
「石英をさがしてる」
「せきえー?」
「ちょっと待っててルルさん」
シラヌイは片手いっぱいの石英を探し出した。
再びルルの隣に座った。
「砂利…ですか?」
「うん。ちょっと試したいんですよ」
片手に砂利…石英を乗せたシラヌイは、呪文を口にした。
「リゾルブクォーツ!クリエイトクリスタル!」
シラヌイの手の中で石英が砕け、一瞬にして集束した。
そして、手の中には真球水晶が乗っていた。
「ぐっ…結構…持って…いかれた…」
シラヌイは何かがごっそり抜け落ちた事を感じ、それが魔力だと悟った。
「三…いや…四割くらいか…」
息が上がっているシラヌイに、ルルが心配そうに尋ねた。
「大丈夫ですかシラヌイ君?」
「大丈夫…なんとも…ないよ…」
そしてシラヌイは、真
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