第一章 護れなかった少年
第三十一話 悪夢の始まり
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る。首だけを動かして振り向くと、そこには、黒い修道服のような者を纏った巨体が眼に入る。おそらくは身長 2mは超しているだろう巨躯は、服の上から見ても分かるほど筋肉がガッシリとついている。おそらくは体重も 100kg近いだろう。首からは十字架を提げており、さっきの言葉からしてキリシタンだろう。何故気づけなかったのかは分からないが、おそらくは相当隠密スキルの熟練度が高いのだろう。そしてこの男のアイコンは綺麗なオレンジで染まっていた。そして名前は《Jacob》......ヤコブ。笑う棺の有名な幹部のもう一人だ。
「お、ヤコブ。やっと来たのか」
「すまない。少々罪深き者がいたのでな。主の御許に導いていた。 Jesus、彼に加護を。 Amen」
そういいながら手で十字を切るヤコブ。そんな返答を聞きながらジョニーブラックはメイを羽交い締めにしたまま溜息をつき、何かを思いついたのか、陽気な声で話し出した。
「お、そうだ、ヘッド、あれやろうぜ、アレ。『鬼ごっこ』」
「お、それで行こうか」
Pohがそう言う。それに続き、覆面にエストックを持った男性 ......ザザが続く。
「あれ、オレは、好きじゃ、無いんだけどな」
「まぁ、そう言うなってザザ。ヘッドがいいっていってんだからさ」
不自然に言葉を切りながら、ザザが言い、それに対して、ジョニーブラックが明るい声で茶化すように言う。
「『鬼ごっこ』か。なら俺はここで見張りでもしておこう。逃げるためにはここを通らなければならないからな」
「そうだな。じゃあヤコブはここで待機だ」
Pohがそう指示を出すとこっちを向き ――
「Sorry。待たせて悪かったな《月読》諸君。これからゲームをしよう」
そう切り出した。
一瞬言ってる意味が分からず固まる。それは二人も同じだったようで脇を見ればアンスが怪訝な顔をし、メイに関してはポカンとしていた。
「この状態でゲームだぁ ? 巫山戯てんのか !!」
つい溜まらずそう叫んだ瞬間 ......
ガスッ
腹部に強い衝撃が走った。
「ガッ――!!」
幸いそこまで HPが減ってはいなかったが、蹴られた場所が場所だったので、呼吸がつまり、ひゅうひゅうと音が鳴る。
「お前らは、黙って、話を聞いていれば、いい」
ザザが特徴的な赤い眼をこちらに向け、そう告げる。それを見て Pohが少し笑い、話し出す。
「Sorry。急に言われればそうなるな。まぁ、景品はある。人の話は最後まで聞くものだ」
そう告げ、ゲームの内容とやらを話し出した。
「ゲームは単純な鬼ごっこだ。ゲーム開始から 3分間やる。その間、この階なら自由に逃げ回っていい。その後俺達
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