暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン  〜生きる少年〜
第一章   護れなかった少年
第三十一話 悪夢の始まり
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
る。首だけを動かして振り向くと、そこには、黒い修道服のような者を纏った巨体が眼に入る。おそらくは身長 2mは超しているだろう巨躯は、服の上から見ても分かるほど筋肉がガッシリとついている。おそらくは体重も 100kg近いだろう。首からは十字架を提げており、さっきの言葉からしてキリシタンだろう。何故気づけなかったのかは分からないが、おそらくは相当隠密スキルの熟練度が高いのだろう。そしてこの男のアイコンは綺麗なオレンジで染まっていた。そして名前は《Jacob》......ヤコブ。笑う棺の有名な幹部のもう一人だ。

「お、ヤコブ。やっと来たのか」

「すまない。少々罪深き者がいたのでな。主の御許に導いていた。 Jesus、彼に加護を。 Amen」

 そういいながら手で十字を切るヤコブ。そんな返答を聞きながらジョニーブラックはメイを羽交い締めにしたまま溜息をつき、何かを思いついたのか、陽気な声で話し出した。

「お、そうだ、ヘッド、あれやろうぜ、アレ。『鬼ごっこ』」

「お、それで行こうか」

 Pohがそう言う。それに続き、覆面にエストックを持った男性 ......ザザが続く。

「あれ、オレは、好きじゃ、無いんだけどな」

「まぁ、そう言うなってザザ。ヘッドがいいっていってんだからさ」

 不自然に言葉を切りながら、ザザが言い、それに対して、ジョニーブラックが明るい声で茶化すように言う。

「『鬼ごっこ』か。なら俺はここで見張りでもしておこう。逃げるためにはここを通らなければならないからな」

「そうだな。じゃあヤコブはここで待機だ」

 Pohがそう指示を出すとこっちを向き ――

「Sorry。待たせて悪かったな《月読》諸君。これからゲームをしよう」

 そう切り出した。

 一瞬言ってる意味が分からず固まる。それは二人も同じだったようで脇を見ればアンスが怪訝な顔をし、メイに関してはポカンとしていた。

「この状態でゲームだぁ ? 巫山戯てんのか !!」

 つい溜まらずそう叫んだ瞬間 ......

 ガスッ

 腹部に強い衝撃が走った。

「ガッ――!!」

 幸いそこまで HPが減ってはいなかったが、蹴られた場所が場所だったので、呼吸がつまり、ひゅうひゅうと音が鳴る。

「お前らは、黙って、話を聞いていれば、いい」

 ザザが特徴的な赤い眼をこちらに向け、そう告げる。それを見て Pohが少し笑い、話し出す。

「Sorry。急に言われればそうなるな。まぁ、景品はある。人の話は最後まで聞くものだ」

 そう告げ、ゲームの内容とやらを話し出した。

「ゲームは単純な鬼ごっこだ。ゲーム開始から 3分間やる。その間、この階なら自由に逃げ回っていい。その後俺達
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ