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空に星が輝く様に
158部分:第十二話 夏に入りその九
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第十二話 夏に入りその九

「それから決めるか」
「そうしますか」
「そうしよう。それじゃあさ」
「はい、それじゃあ」
「行こうか、エレベーターでも使って」
 こうして二人はそのエレベーターに乗りだ。七階に来た。するとそこはとりわけごった返しており様々な店が並んでいた。そこに入ったのである。
 そして二人が最初に見たのはだ。そばだった。
「ええと、わんこそばか」
「盛岡ですね」
「へえ、話には聞いてたけれど」
 陽太郎はその筆で大きな木の板に書かれた太い文字を見ながら述べた。
「実際には」
「はじめてですか」
「見るのもね」
 こう月美に答える。
「はじめてなんだよな」
「それじゃあ一度食べてみますか?」
 陽太郎に笑って提案してきた。
「わんこそば。どうですか?」
「食べてみますかってことは」
「はい、私もです」
 月美はもうその目をだ。きらきらとさせていた。そのうえでの言葉だった。
「それでどうですか?」
「そういえば西堀っておそばは」
「大好きですし」
 あのアーケードの時のだ。その時のことを思い出しての話になっていた。
「それにですね」
「それに?」
「おそばって身体にいいんですよ」
 こんなことも話すのだった。
「カロリーも少なくて栄養もあって」
「ああ、それはよく言われるよな」
「だから幾らでも食べていいですし」
 何故かこうした方向にも話をやるのだった。これはいささか以上に自己弁護というか言い逃れ、そうした類のものになってもいた。
「ですから。どうですか?」
「そうだよな。丁度部活の後で」
「お腹も空いてますし」
「お金もあるしね」
「最高の条件ですよね」
「うん、確かにそうだよな」
 笑顔で頷く陽太郎だった。まさに天佑とも言えるものだった。
「それはな」
「はい、それじゃあ」
「行こうか」
「わんこそばですよね」
「ええと、消費税は別にして千五百円か」
 値段も見る。見ればそうはっきりと書いてあった。
「こんなものかな」
「バイキングと思えば元は取れますよね」
「ああ、充分にな」
「じゃあ」
 こう話してであった。そのうえで店の中に入る。簡単に、組み立てて作ったと思われるそのお店の中にはもう客が優に十人はいた。店の規模を考えれば繁盛していると言えた。
 その店の中の二人掛けの席に座ってだった。そばを注文する。それからだった。
「じゃあ。わんこそばって」
「実は私も食べるのはじめてでして」
「ああ、そうだったんだ」
「実はそうなんです」 
 陽太郎の向かい側に座りながらの言葉だった。
「お話には聞いてましたけれど」
「けれどどういうものかは知ってるんだよな」
「斉宮君もそれは」
「ああ、知ってるよ」
 それはだとい
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