第十二幕その一
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第十二幕 夢の中で空海さんと
皆はキャンピングカーで高野山から神戸まで戻っています、車は高速に入ってそのうえでなのでした。
神戸にひたすら向かっています、その中で。
王子は晩御飯のお弁当を食べつつ自分と同じお弁当を食べている先生に言いました。
「いや、思ったよりもね」
「速くだね」
「お家に着けそうだね」
「そうだね、じゃあお家に着いたら」
その時のこともお話する先生でした。今は和歌山から凄い勢いで大阪に向かっています。風景はまだ和歌山ですが大阪には確かに向かっています。
「もうね」
「お風呂に入ってだね」
「ゆっくりと休むよ」
「寝るよね」
「うん、やっぱりね」
「人間寝ないとね」
「駄目だし僕もね」
先生は体質としてなのです。
「じっくり寝ないとね」
「駄目だよね」
「うん、調子がよくないから」
だからというのです。
「毎日ね」
「よく寝る様にしているね」
「そうなんだ」
まさにというのです。
「だから今夜もね」
「よく寝るんだね」
「そうするよ、あとね」
「あと?」
「いや、これまでの旅ではね」
先生のそれではというのです。
「特に不思議なことはなかったね」
「あっ、先生の旅ってね」
王子も長い間先生と一緒にいるのでこのことはよくわかっています。
「いつもね」
「うん、不思議なことが起こるよね」
「不思議なところに行ったりね」
「月だってそうだしね」
「そう思うとね」
まさにというのです。
「今回の旅はね」
「普通にはじまってね」
「普通に終わりそうだね」
「そうだね、後は安全にね」
事故なぞなくにというのです。
「そうしてね」
「神戸に着くだけだっていうんだね」
「今回は大阪も行かないしね」
それでというのです。
「このことは少し残念かな」
「王子は大阪好きだね」
「大好きだよ」
それこそと答えた王子でした、お弁当を食べながら。
「本当に」
「そうだよね」
「あんないい街はそうはないよ」
「賑やかで庶民的で活気に満ちていて」
「美味しい食べものが一杯あってね」
それでというのです。
「最高の場所だよ」
「そうなんだね」
「先生も大阪好きだよね」
「否定するどころかね」
「大いに肯定するね」
「あんな楽しい街はないからね」
だからとです、笑顔で答えた先生でした。
「だからね」
「それでだよね」
「うん、大阪にもまたね」
「行くよね」
「そうするよ」
先生は王子に笑顔で答えました。
「あの街にもね、そしてまた四国にも行きたいね」
「あっ、四国はでしたね」
トミーもお弁当を食べています、そうしつつ先生にお話しました。
「あちらも」
「そう、空
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