暁 〜小説投稿サイト〜
ONE PIECEを知らないエヴァンジェリン中将が原作を破壊するようです
第1章 ネオオハラ・イン・ブリザード
第5話 サウロの蒔いた種
[4/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
も海軍本部中将だでよ。守っちゃる、心配はいらんだで。元だけどな」
「サウロ! お願い引き返してっ!!」

 ”生きてロビン!” 母の叫びを背に涙を流すロビンを手に抱え、オルビアの悲痛な願いを背にサウロは走った。

「………ダメだでぇ………オルビアの決意を無駄には出来ないでよ!」

 サウロだって本当は引き返したい。だけど、もう引き返しても何も出来ないのだ。
 ロビンは生きろと言われた。ならば絶対に生き残らなければならない。
 オルビア――ロビンの実の母親の思いを無駄にはできないのだ。

「誇れ! ロビン!! お前さんらの母ちゃん立派だで!! オハラは立派だでよ!!」

 そんなことは十分に分かってる。サウロの言う通り母は立派すぎた。
 自分の命と引き換えに、ロビンの命そしてオハラの学者としての誇り、その両方を守ろうとしている。
 そして、その選択に一瞬の後悔も逡巡も見せなかったのだ。
 けれども、本当は生きてほしい、そんなロビンの思いはどうなってしまうのか。

「この島の歴史はいつかお前さんらが語り継げ! オハラは世界と戦ったんでよ!!」
(忘れるものか、途絶えさせるものか……! 図書館の皆の戦いを私は絶対に無駄になんかしてたまるか!)

 その時、走るサウロに砲弾が一つ迫った。
 巨人族のサウロはいい的だ。動いているから何とかなっていたのだが。

「あっ!!」

 サウロは砲弾が命中するにも関わらず自分をかばう事無く、ロビンを乗せた手のひらを砲弾から遠ざけた。
 着弾と爆音の後、砲弾はサウロの顔面へと着弾した。
 肌に熱風が伝わるが、ロビンに怪我などは全くない。サウロが守ってくれたからだ。

「……!! すまん……びっくりさせたでな、ちょっと待っとれ……」

 サウロはロビンを地面へと下ろす。顔に受けた砲弾による痛みに構うこと無く岸にある軍艦に鋭い視線を向けた。

「アレか……あんな岸から……ロビンが傷ついたらどうするんだで………!!」

 サウロは軍艦に向けて走り出した。

「まさか……軍艦と生身で戦り合う気なの!?」

 海兵達はサウロに対し手に持った銃や、軍艦に備えつけられた大砲で反撃する。
 しかしサウロは身体にいくつもの砲撃を受けてもひるむどころか、むしろその気迫は激しさを増した。
 すべてはロビンを守りたいがために。 

「サウロもうやめて! 死んじゃうよ!」

 ロビンは必死でサウロに叫びかける。
 母に続きサウロまで命をかけて自分を守ろうとしているのだ。

「今のうちに避難船に逃げるでよ! この島におっては助からん!」
「でも、サウロ……!」

 ここでもし避難船に乗れなかったら逃げる手立ては無くなってしまうのだ。

「やめてぇぇ!!
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ