四匹め
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「シラヌイよ。これをどう思う」
「すごく…大きいです」
僕はいま王宮に来ていた。
「お早うございます!宮廷魔術師筆頭殿!
王宮付き相談役殿!」
門を潜ろうとすると衛兵がお母様とお婆様に挨拶をした。
「おお!ひさしいのぅ!なんじゃいお主未だに門番なんぞやっとるのか?」
「いえ、案外楽しい物ですよ。給料もいいですしね。
ところでそちらはもしや…」
衛兵が僕の方に眼をむけた。
「ええ、私とブライの息子です」
「これはこれは…」
「ほれ挨拶せぃ」
お婆様が僕に目配せした。
「はじめまして。僕の名前はシラヌイです」
「はじめまして。俺はレオン。見ての通りこの城の衛兵だ」
レオンはつり目で強面の男だった。
衛兵らしいといえば衛兵らしい。
「レオ坊。多分シラヌイはこの城に度々来るであろうから、頼むぞ」
「相談役の言い付けとあらば。
よろしくなシラヌイ!俺の事ぁ呼び捨てでいいぜ!」
「わかったよレオン」
「では、いきましょうか」
「じゃあね、レオン!」
「おう!」
side out
王宮を歩くシラヌイは興味の視線にさらされていた。
特にメイド達からだ。
ピンと立った狐耳。
もふもふの尻尾。
母親譲りのたれ目。
キョロキョロと辺りを見回す仕草。
そして時折こてんと首を傾げる。
「かっ…かわいい!持ってかえりたい…!」
「やめときなって。あれ宮廷魔術師筆頭様の息子よ?」
「えぇー…お話くらい…」
「宮廷魔術師筆頭様の夫は王都第三師団隊長よ?従来貴族じゃぁないけど、手を出したら王室付暗殺者が動きかねないわぁ…」
「大丈夫。たまたま出会って話すくらいならね!」
「一応いっておくけどあの隣に居るの王宮付き相談役だからね?あの二人が居ない時になさいよ?」
「まずは…餌付けよね…」
「もう好きになさいよ…」
side in
お母様が宮廷魔術師として与えられている部屋に来た。
「シラヌイ、私は少し用事があります。
一時間程で戻るので本を読んで待っていてください」
「わかりましたお母様」
お母様に渡されたのは、『猫でもわかる魔法基礎』という本だった。
あの、僕は狐なんですが…。
お母様が退室してすぐにお婆様も出ていった。
王様に会いに行くらしい。
なので僕はソファーに座って本を読む事にした。
『魔法を扱うには、まずこの世界の仕組みをしるべきである。
はじめに、物が燃えるとは、物質の中の燃素が』
読むのをやめた。爆笑した。
「燃素!マジかよ!こ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ