三匹め
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。どうも夢見が悪かったらしくての、ちと儂があやしておったのだ」
「何!大丈夫かシラヌイ!怖い夢を見たのか!?」
「ブライ、落ち着いてください。メイドが笑っていますよ」
食堂にはシェルムとブライ…シラヌイの今生の両親が先に座っていた。
シェルムは腰まで伸ばした金髪に狐耳、一本の尻尾、スタイルは抜群で金の目はたれ目で柔らかな印象だ。
ブライは金髪でイケメンだが、どちらかと言えば童顔。
それもそのはずでブライの耳は細く尖っている。
「お父様。ご心配をおかけしました」
「いや、かまわん!子を心配するのが親の務めだからな!」
「貴方は心配しすぎなんですよブライ」
なおブライは親バカである。
「シラヌイ。早くお座りなさい。朝ごはんですよ」
「はい。お母様」
シラヌイが席に座ると執事が朝食を用意した。
シラヌイがサンドイッチをもきゅもきゅしているのを、シェルム、ブライ、タマモが温かく見守っていた。
「ぅゆ?」
「なんでもありませんよシラヌイ」
「ぅゆ!」
シラヌイが食べ終わるとシェルムがシラヌイに尋ねた。
「シラヌイ、誕生日プレゼントは何がほしいですか?」
つい昨日まで魔法を教えてほしくてウズウズしていたなぁ、とシラヌイは思い出した。
「魔法を教えてほしいです」
「……………」
「……………」
シェルムとブライが黙り込む。
「どうされました?」
「うーむ…魔法か…」
「どうしましょうか…」
「?」
シラヌイが首を傾げていると、タマモが説明した。
「魔法は危険じゃからのぅ…」
「ですがお婆様」
「わかっておるよ」
タマモが二人をみて、言った。
「やらせてみれば良かろう。危険なら、止めれば良いだけじゃ」
「そう…ですね」
「安心しろシラヌイ!お前は俺とシェルムの息子だ!きっと偉大な大魔導師になれるぞ!」
「ブライ…落ち着いてください」
「そうだなぁ、まずは基本の属性魔法を、次は…中級の前に初級魔法の応用を…」
「落ち着けと行っているのです!」
シェルムがティーポッドから角砂糖を取りだしブライの額へ弾いた。
「へぎゅっ!?」
ブライは仰け反った勢いで椅子ごと後ろに倒れ……頭を打って気絶した。
「シラヌイ。今日は私の仕事場においでなさい」
シェルムは宮廷魔術師である。
と、なればその仕事場とは勿論王宮である。
「そうじゃの。儂も久々にアル坊に会いにいくかの」
シェルムとタマモが席を立ち、シラヌイを連れて退出する。
「お父様は?」
「放って置けば眼を醒ましますよ。ブライは熱くなるとああですから
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