第十二章 魔法女子ほのか最終回 そして
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た。
高揚感爆発の沸点が低いのはトゲリンであるが、最終的に変態行動を取るという意味ではどちらも同じであった。
「あの、お客様方っ、先ほどからちょっとお声があ……」
女性店員の声。トゲリンとひとくくりで注意され、我に返り恥ずかしそうに肩を縮こませる皇帝様。
と、その時であった。
聞き捨てならない会話が聞こえ、レンドル皇帝の耳がピクンと動いたのは。
「安田氏、知ってる? 第二期は、遥か未来が舞台らしいね」
「えー、そうなん?」
「決定事項かは不明であるが、かなり信憑性あるらしい」
「キャラ総入れ替えかな。子孫とか」
カーキ色迷彩服上下の男と、赤青チェック柄シャツをジーンズに押し込んでいる男、年齢不詳だがこの二人が、ほのかの本を手に手にそんな会話をしていた。
第二期が、未来?
知らないぞ、そんなことは。
定夫は疑問を感じたその瞬間に、迷彩とチェック柄の二人へと近付き話し掛けていた。
「おたく、いまご友人に、なんと発言されておりましたか? いや、『未来が』とか聞き捨てならない言葉が鼓膜を震わせたような気が致しまして」
初めて敦子と話した時の狼狽ぶりとは大違い、オタク男子が相手なら初対面であろうとペラペラ饒舌な定夫であった。
「ああ、まほのの第二期について、いわゆる未来が舞台であるらしいということを、友人に話していたのです。なんでも、復活した神属との戦いがメインで、太刀打ち出来る存在がその時代にいないので、ホノタソたちがコールドスリープで未来へ飛ぶとか」
「まほの」とは、最近定着しつつある「魔法女子ほのか」の略称である。
それよりも……
「ソースは、どこにあるのでしょうか」
情報源はなにか、ということを定夫は尋ねたのである。
「最新号のアメアニに、書いてありました」
アメアニ? 確か発売日は、明後日のはずだが。
ああ、そうかっ!
定岡書店か!
神保町から少し離れた小川町にある、雑誌や漫画が早く発売されることで知られた小さな書店だ。
……確かめねばなるまい。事の真偽を。
「ありがとう。ごきげんよう。ほのかウイン!」
定夫はニッコリ不気味に微笑み、右腕を上げると、ウインのままくるんと身体を回転させ、トゲリンたちへとひそひそ耳打ち。
この場を立ち去ると、
いざ、と定岡書店へと向い、アメアニを発売日より前に購入。
そして……
四人を、凄まじい衝撃が襲ったのであった。
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