第十二章 魔法女子ほのか最終回 そして
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デブ!」
ついに他の客に後頭部をゴチと殴られたのであった。
なお気付かず吠え続けるトゲリンに、頭のおかしい奴と思ったか(あながち間違いではないが)、客は舌打ちしながら店を出て行った。
ここは神保町にある大型書店である。
出入口付近に平積みコーナーがあり、「魔法女子ほのか」関連の雑誌、ムック、漫画、小説、サントラ、サウンドドラマ、謎本、などがところ狭しと置かれ積み上げられている。
数えることなど不可能なほどの、ほのか、あおい、しずか、ひかり、はるか、ゆうき。
店内のスピーカーからは、後期エンディングテーマである「素敵だね」。
コーナーには、小さな液晶画面がいくつか設置してあり、本編の映像や、発売予定であるゲームの宣伝映像などが流れている。
トゲリンは、このあまりの壮観圧巻に感極まって不気味な絶叫を解き放っていたのである。
「う、ううっ、うーっ」
突き抜けたか、今度は泣き始めてしまった。
眼鏡を外し、袖でレンズをごしごし拭いながら、めひめひとむせび続けている。
トゲリン大暴走であった。
山田定夫も、気持ちとしては同じようなものだった。さすがに恥ずかしいので、ここまで感情は出さないし、もるもる叫んだりなどしないが。
八王子も、敦子殿も、おそらく同様だろう。
じわじわ込み上げるものに思わずニヤけそうになるところを、なんとかこらえて平静を装っているような、二人ともそんな分かりやすい顔になっている。
今日は四人ではるばる神保町を訪れているわけであるが、その目的はなにかというと他でもない、この「魔法女子ほのかフェア」のためであった。
関連書籍、グッズなどは、とっくに購入して所持しているが、盛り上がりを肌で感じたかったからだ。
昨日は昨日で、那久唯奈など声優を招いてのイベントに四人で参加してきたのだが、チケット完売ダフ屋横行の超絶満員ぶりで、あわや客がどどっとステージに乱入しかけて声優たちが一時退避するなど、騒然となるシーンがあった。
魔法女子ほのかは、この通り現在人気大爆発中であった。
まだ第一期が終了した直後だというのに、もう深夜枠で再放送が開始している。
CSでも、五つのアニメ専門チャンネルで放映中だ。
放送開始時から異例の高視聴率を叩き出してきたアニメではあったが、ここまでの人気作になることを決定付けた分岐点は第七話であろうといわれている。
子供も観る時間帯のアニメだというのに、映像をぼかしているとはいえあまりにも過激な人体破壊描写。世論から「やりすぎ」と叩かれ騒がれたのだが、それによって認知度が急上昇したのだ。
あれよあれよという間に、アニメファンならずとも名前を知っているア
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