第十二章 魔法女子ほのか最終回 そして
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この世にいることに
意味があるかは分からない
それでもその笑顔を
見ていたいと思うから
笑えるって素敵だね
泣けるって素敵だね
この懐かしい
地図を確かめながら
風になでられながら
悲しくても笑うんだね
嬉しくても泣くんだね
生きているから
生まれたこの奇跡に
小さな花が心に咲いた
♪♪♪♪♪♪
ほのか、ほのかの父、母、みんなに囲まれている幸せに、何故か泣き出すこはる。
やがて泣き止み、そして、笑った。
それはとろけるような、天使の笑顔であった。
「なんで毎日毎日、こんなに落ち葉が出るのかなあ。毎日毎日かいているのになあ」
ほのかは、腕を組んで難しい顔をしている。
巫女装束。
神社でアルバイト中である。
目の前には、枯れ葉が積み上がっている。
手にしたほうきで、かき集めたばかりだ。
「ほのか、これはここでいいのか?」
離れたところで、ぶすっとした顔の女の子、こはるがキャスター付きの椅子をがらがら転がしている。ほのかのお手伝いをしているのだ。
「はい、そこに置い、って持ってきてるものが違いますう! 脚立ですってばあ!」
まったくもう、と駆け出そうとした瞬間、
突然吹いたつむじ風が、ようやくかき集めた落ち葉を、くるくる巻き上げ境内中にぶちまけてしまった。
「あああーーーーーっ! ……あーあ」
しょんぼりがっくりのほのかであったが、次の瞬間、その顔に驚きが満ちていた。
顔を上げた。
『いまの風、まさか……』
きょとんとしているほのかであったが、その顔に、じわじわと、笑みが浮かんでいた。
「どうかしたの?」
こはるが、不思議そうに首を傾げている。
「なんでもないっ!」
元気な声を出すと、
ほのかは笑顔を上げ、
こはるへと、走り出した。
魔法女子ほのか
第一部
完
6
「うおおおおおーーーーーーーっ! うおおおーーーっ!」
トゲリンが、込み上げる感情をこらえられず、魂を吐き出すかのような凄まじい轟音絶叫を解き放っていた。
最終回に感動しているわけではない。既に完結から一週間が経過している。
ここは、とある書店の中である。
「おううーーーーっっ! うおおおおおおおっ!」
他の客が露骨に迷惑そうな顔をしているというのにトゲリン、まったく気付くことなく叫びまくっている。
「もるもるもるもる!」
うおおおおっ、の惰性余韻なのか分からないが、不気味で意味不明の雄叫びまで張り上げ始めた。
「うるせえクソ
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