理屈の上に成り立つ力
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「シリル〜!!どこに向かってるの〜!?」
何かを感じ取りそちらに向かって脇目も振らずに走っている少年を追いかける猫が叫ぶ。それに対し彼は振り向くことも速度を落とすこともしない。
「わかんない」
「わかんないって〜・・・どういうこと〜?」
それならば一体なぜそこまで迷いなく走れるのか、一体何を感じ取ったのか、様々な疑問が沸き上がってくる。
「わかんないけど・・・でも、確かにこっちなんだ」
「だから何がだよ〜!?」
思わず強い口調になる。セシリーは隣に並んで顔を覗き込むが、それにすら気付いていないのか何の反応も見せない。
「着けばわかる。たぶんね」
言葉だけを見れば到底信じられない。だが、少年の顔付きは自信に満ち溢れていた。相棒はそれを見てこれ以上追求することはやめようと、口を閉ざしたのだった。
「あの子と同じ?誰のことを言ってやがる」
ヨザイネの言葉を微かに聞き取ったグレイが彼女を睨み付ける。それに対し少女は答えようとしない。
「グレイ!!手を貸すぞ!!」
相手の魔力はこれまで戦ってきた相手よりも高い。一人では分が悪いと考えたリオンが立ち上がったが、グレイがそれを制する。
「大丈夫だ。お前はジュビアたちを守ってくれ」
「しかし・・・」
食い下がろうとしたが、ここで言葉を飲み込んだ。自分が入っても足手まといになってしまうのではないか、その考えが脳裏を過ったからだ。
「ここを離れるぞ、ジュビア、メルディ」
「は・・・はい!!」
「行くよ、ルーシィ」
近くにいては邪魔になると考えその場から離れようとしたリオン。その判断は的確だった。だが・・・
ボワッ
「「「「「!!」」」」」
逃げようとした彼らを取り囲むように、真っ黒な球体が現れ全員を飲み込む。
「ジュビア!!リオン!!」
「なんだこれは・・・」
「ちょっと!?」
閉じ込められる格好になったリオンたち。リオンはそれを破ろうと両手を合わせる。
「アイスメイク・・・スノータイガー!!」
氷の虎を壁になっている部位に全力でぶつける。だが、それはびくりともしない。それどころか・・・
「うわあああああ!!」
魔法を放ったはずのリオンに激しい激痛が走ったのだ。
「リオン様!!」
「あんた!!大丈夫!?」
「何よこれ!?」
あまりの痛みに膝をつく。それを見たヨザイネは嘲笑うような表情を見せる。
「無駄よ。漆黒の檻に閉じ込められたら最後、誰も出ることはできない。私を倒さない限り・・・ね」
「てめぇ・・・」
仲間を人質にされたと憤るグレイ。だが、彼女はその考え
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