告白 〜Ray〜
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Ray視点
今日の体育館の鍵閉め当番は私_レイ。全部の鍵を閉め終わった時、入り口の方から足音がした。
(お化け...?)
_お化けは嫌だ。お化けはレイが唯一嫌いなものだった。すると、男の人の声がした。足音の犯人もわかった。
「なぁ...おいっ!」
_3年A組のザック先輩だ。
「えっ?」
そう声を漏らして、辺りを見渡した。だが、私と先輩以外誰もいない。あの言葉は私に向けたものだったのか。
「お前だよっ!」
先輩がそう言うと、私は確信した。_あの言葉は私に向けたもの。でも、そうすると疑問も生まれる。
(私に...用があるの...?)
先輩と面と向かって話したことがない。レイは少し緊張してくる。でも、念のため確認しておこう。
「わ、私...?」
「そーだよ...ココには俺とお前しか、いねぇだろ?」
その先輩の言葉に妙に納得してしまった。さっき自分でも気付いたことなのに。
「あのっ...先輩はどうしてココに...?」
気になっていたことを先輩にぶつけてみると、予想通りの言葉が返ってきた。
「お前に...話があるんだよ!」
その声は、今までより体育館に響いた。
「何...?」
そう聞くと、答えを言う前に先輩が私に近づいてきた。そして、私に壁のところまで詰め寄ってきた。壁のところで私が動けなくなると、先輩は壁に手をついた。これがいわゆる、かべドンというものなのだろう。
「先...輩...?」
私は詰め寄って来る先輩に恐怖を感じたのか、手をついていない方に逃げようとした。すると先輩が、
「逃げんな。」
そう言って、私が逃げようとした先も塞がれた。
「とにかく聞けよ...」
先輩は少し声のトーンを落として言った。
「俺な...お前のことが......好き...なんだよ。」
先輩からの突然の告白にレイは、目を見開いた。今まで誰にも好かれたことなんてなかったのに。
「だから、俺と...付き合ってくれねぇか...?」
「えっ......?」
_告白されるってこんな感じなんだ。そう考えながら、先輩への答えを考えた。
「はい......お願いします。」
レイは出来る限りの笑顔を作った。でも、少しぎこちないかな。自分でもそう思った。先輩は少し驚いた顔をして、
「ありがとな...」
と言った。その時、先輩の顔が近づいてきた気がして、気付いたら唇に何か柔らかいものがあたっていた。
(先輩と...キスしてる...?)
そう気付いた瞬間に何故か全身の力が抜けていった。地面に崩れ落ちる感覚がして、意識が遠退いていった。最後に聞こえたのは、先輩が私を呼ぶ声だけだった。
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