150部分:第十二話 夏に入りその一
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第十二話 夏に入りその一
第十二話 夏に入り
夏休みに入った。その中でだ。
星華は自分の家で朝御飯を食べながら妹の星子の話を聞いていた。
「もうずっとなのよね」
「夏期講習ね」
「休みなしよ」
むくれた顔で姉に話す。その手にはお箸と茶碗がある。
「殆ど毎日なのよ」
「まあそうでしょうね」
それを聞いても当然といった様子で返す星華だった。
「それもね」
「何かわかっているみたいな言葉だけれど」
「当たり前でしょ。受験生じゃない」
「だからなのね」
「そう、だからよ」
こう返す星華だった。
「受験生だったらやっぱりね」
「夏期講習ばかりになるのね」
「それが当然よ。けれど土日は休みじゃない」
「まあそれはね」
そのことについてはそのまま頷く星子だった。
「それはそうだけれど」
「じゃあいいじゃない。っていうか」
「っていうか?」
「部活がそれに代わっただけじゃない」
さばさばとした口調での言葉だった。
「そうじゃない。ただ」
「そうなるの?」
「そうなるの。だってあんた二年の時までずっとバスケ部で夏は潰れてたじゃない」
「ううん、そう考えればいいのね」
「そうよ。そのままよ」
あっけらかんとした言葉だった。
「そう考えればいいのよ」
「そうね。じゃあそう考えるわ」
星子も姉の言葉に納得した顔になった。
「そういうことでね。ただ」
「ただ?」
「今頑張ったらそれが後に生きるってね。これは先生の言葉だけれど」
「それ夏休み前にも実際に言われたわよ」
必ず言われる言葉だった。これはどの学校でも大体同じである。
そしてだ。さらに話をする二人であった。
「何度もね」
「そうでしょ。じゃあここは頑張ったらね」
「八条高校に受かる為には」
「そう、頑張ってね」
「わかったわよ。それじゃあこれからだけれど」
「うん、塾に行って来るわ」
納得した顔で頷く星子だった。そうしてであった。
そのうえでだ。今度は彼女から姉に尋ねてきた。
「それでお姉はあれよね。これから」
「そう、部活よ」
完全に元に戻っていた。中学二年までにである。
「これから部活行って来るわ」
「何か同じよね、それって」
「そういうことよ。夏休みは有意義に使わないとね」
「有意義にねえ」
「ダイエットになるしいいじゃない」
星華も割り切っていた。
「それじゃあだけれど」
「行ってらっしゃい」
「八条高校はあれよ。スポーツも五月蝿いからね」
「女子バスケ部ねえ」
「あんたも入るんでしょう?」
星華はおかずの玉子焼きを食べながらだ。また話してきた。
「女子バスケ部に」
「そのつもりだけれど」
「それじゃあ今は余計
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