=体育祭編= ベッドセレクト
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
付母神つくもという少女の個性の神髄は、相手に選択の余地を与えない圧倒的な便利さにある。
手の一つを取ってもロケットパンチ、レーザービーム、フィンガーミサイルとあるのに、切り離した腕は独立浮遊兵器として運用することも出来る。そんな兵器が全身に込められている上、彼女は自分の体をバラバラに分離させて攻撃を躱したり相手を包囲することもお茶の子さいさいだった。
彼女は、圧倒的な個性を持っているのだ。無論それには様々なデメリットも存在するが、それを差し引いても『本気』になった彼女はもはや手が付けられなかった。
後に彼女と対戦した瀬呂はこう語る。
『勝てる気がちょっとはしたけど気のせいだったわ』、と。ドンマイ。
瀬呂は頑張った。超頑張った。空を飛べるという圧倒的メリットを持つ彼女をどうにか場外に持ち込もうとした。しかし瀬呂が同時に発射できるテープは二つで、彼女の捉えるべき体は複数だ。そして彼女の攻撃は、苛烈だった。
『フィンガーミサイルマルチロック斉射!サイスバルカン、アッパーバルカン解放!パッショントルネード発射!!』
「え、ちょ、それ反則だろ!?ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?!?」
圧倒的な『面』攻撃。全て死なない程度に手加減をしているとはいえ、秒間50発は打ち込まれているのではないかという圧倒的な火力を前に、瀬呂は為すすべなく吹き飛ばされた。
『瞬ッッッ殺ッッッ!!圧倒的瞬殺!!これはドンマイとしか言えねぇぇぇーーーッ!!』
『元々付母神は高い素質を持った生徒だったが、どうにも体育祭で吹っ切れたらしいな』
単純な火力による制圧力。攻撃の当たりづらさも特筆すべき厄介さではあるが、ことこの限られた空間内では面制圧を可能とする弾幕が圧倒的な力を見せ、観客たちを熱狂させていた。
『はぁ……はぁ……!!ご、ゴメンね瀬呂くん!でも私、今回は優勝本気で目指してるから……!』
「お、俺も本気だったんだけどなー………(というかこいつ、その気になりゃ戦闘訓練もっとスゴかったってことじゃ……)」
……ここで「手を抜いてたのかよ!」なんて野暮な事は言わないのが瀬呂のいい所。実際、つくもは『勝つ』という暗示染みた言葉を言い聞かせて普段の遠慮や躊躇を無理やり消していた。それが戦うことだという事に、彼女はやっと気づいたのだ。
その後、攻撃の殆どが閃光を伴うという一長一短の性質が常闇の個性を封殺して準決勝進出。
『爆豪くん……今日は、勝つよッ!!』
「いいや、完膚無きにまでブチのめして俺が優勝するね!ブリキ女ぁ!!」
――この戦いがまた、熾烈を極めた。圧倒的面火力のつくもの攻撃に対して爆豪は空間制圧と一発の貫通力で対応。見る見るうちにフィールド上が爆炎と爆風で削り尽
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ