=体育祭編= ベッドセレクト
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くされていき、それは水落石対轟とは別の意味で観客を震撼させた。というか鼓膜と眼球に悪い戦争状態だった。
しかし、つくもはその爆発にも耐えて戦った。
爆豪の火力は確実に彼女にダメージを与えたが、彼女の攻撃もまた爆豪は全て避けきることが出来なかった。ならば、我慢し抜いた方が勝つ、とつくもはより一層攻撃を強めた。
その志自体は立派なものだったのだろう。ただ如何せん、戦闘における発想力というのは頑なになればなるほど失われていく。何より彼女の攻撃は効率的だったが、生の戦いに対する経験が圧倒的に不足していた。
「手でも足でも枠外地面にあたりゃ、場外なんだろ……」
『え――』
僅かな弾幕の隙を縫った爆豪の爆発を、体を分離させて回避したつくもは、一瞬爆豪の言っている事の意味が分からなかった。そして――爆豪の行動が唯の応酬ではなく明確な作戦に基づいたものだった事を、その場で気付けなかった。
それが、彼女の決定的な敗因になった。
爆豪は避け辛い攻撃が来るとつくもがすぐに分離で躱すという、一種のワンパターンな癖を掴んでいた。そして分離後のボディが各個撃破される事に対する警戒が甘いことも。それを踏まえたうえで、爆豪が建てた作戦、それは――。
「ちとスッキリしねえが、終わりだ!――死ねぇッ!!」
瞬間、爆豪の手に掴まれた『つくもの足』が、爆発の個性を乗せて場外に叩きつけられた。
「場外!!この勝負、爆豪くんの勝ちッ!!」
『ハァァーーー!?!?いや、ボディは外に出てないだろ!足が出ただけで場外ってどうなんだよ!?』
『浮遊する個性だというだけでこのリング勝負では大きなメリットだ。故にある程度の公平性を期すために飛行個性持ちには色々と制限がある。チキンプレイ禁止、一定時間以上のリング外の飛行禁止。そして付母神に関しては、その個性の特異性がメリットにもデメリットにもなる』
『絶妙なバランス調整って訳か……ウン、まぁ。しゃーないか』
『テンション低すぎだろ。まぁ、そこにすぐ発想が至った爆豪の頭脳勝ちだな』
なお、相澤先生がコメントのあとに小さく「みみっちいが」と付け加えたことについては、誰も異論を唱えなかった。
茫然としながら体をドッキングさせていくつくもに背を向けた爆豪が去っていくなか、無情にもここで彼女の優勝は立ち消えとなったのであった。
「勝てな、かった………」
この時の彼女の心境は、また別の時に取っておくものとする。
= =
目が覚めた俺を待っていたのは、見物も出来ず全てが終わってしまった体育祭。そして医務室で寝ている俺を心配そうにこっちを見ている葉隠と常闇だった。リカバリーガールと相澤先生も凄い目でこっちを見ているが、とりあえず喉がひりつきそ
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