第二章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後
「それがだね」
「もうバウンサーさんの分だけですね」
「つまりこの辺りで煙草を喫うのは今はわしだけなのかな」
「そうなりますね」
お母さんの知る限りはです。
「うちに来てくれるお客さんでは少なくとも」
「そんなに少ないんだね、煙草を喫う人は」
「今では」
「そしてその分だね」
「他のものを用意してますので」
子供用の品が特に多くなっています。
「お子さん達へのお土産にどうぞ」
「じゃあ手袋を買っていこうかな」
こう言ってそうしてでした、バウンサーさんは実際に子供達の手袋も買ってお家に帰りました。そしてバウンサーさん以外にはでした。
誰も煙草を買いませんでした、それでお母さんはあらためて思うのでした。
「本当にもう煙草はね」
「買う人が殆どいないんだね」
「ええ、バウンサーさん以外はね」
「じゃあもう煙草を仕入れるのを止めようか」
買う人が一人しかいないならとです、お父さんはお母さんに提案しました。
「そうしようか」
「いえ、それはよくないわ」
「買ってくれる人がいたらなんだ」
「その品をお一人でもね」
それならというのです。
「買って喜んでくれるから」
「だからなんだ」
「仕入れていきましょう」
「そうしていくんだ」
「ええ、お一人でもいるならね」
それならとです、またお話したお母さんでした。
「そうしていきましょう」
「バウンサーさんの為にだね」
「ええ、それじゃあ駄目かしら」
「そうだね」
お父さんはお母さんに言われて思うのでした。
「それじゃあね」
「ええ、あなたもそれでいいわね」
「それならそうしよう」
「煙草はバウンサーさんの為に仕入れていくわ」
それは続けるというのです、そしてバウンサーさんもでした。
お店に来ていつも煙草を買うのでした、それだけでなく奥さんや子供達の分まで買ってお母さんに言うのでした。
「今日は妻の為に買うよ」
「煙草だけでなくですね」
「そう、今日はね」
お店の品を見て言うのでした。
「頭への飾りを買うよ、耳に付けるものを」
「耳にですか」
「そう、ノウサギのね」
あの長い耳にというのです、当然バウンサーさんにしてもお母さんお父さんにしてもノウサギなので耳は長いです。
「それを買っていくよ」
「では」
お母さんも応えてでした、バウンサーさんに買ってもらいました。そしてバウンサーさんに煙草や飾りを買ってもらってからです。
そうしてです、この日のお店を閉めた後でお母さんはお父さんに言いました。
「バウンサーさんは煙草以外にも買ってくれるから」
「だからなんだ」
「ええ、煙草を置いているとね」
「それだけでは終わらないんだね」
「他のものも売れるからね」
「煙草はプラスの利益にもなってい
[8]前話 [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ