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空に星が輝く様に
146部分:第十一話 プールでその十三
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第十一話 プールでその十三

「それでわかる」
「そうか」
「それ位した方が頼もしいと思われる」
「じゃああの怖い首相もかよ」
「ウラジミールおじさんも?」
「そう」
 まさにそうだと狭山と津島にも答える。
「それがロシア」
「凄い国なんだね」
 赤瀬は今はお握りを食べながらだ。ぽつりと述べた。
「本当に」
「音楽や文学もいい」
「あっ、そうですね」
 それには月美が応えてきた。
「ロシア文学はかなり」
「つきぴーも知ってるのね」
「ええ、読んだことがあるわ」
「何を読んだの?」
「戦争と平和を」
 それをだと。椎名に対して答えるのだった。
「読んだけれど」
「トルストイだよな」
「そうよね」
 狭山と津島がその本の題名を聞いて話す。今は狭山は林檎を、津島はオレンジをそれぞれ食べている。どちらも津島が持って来たデザートである。
「その代表作だよな」
「かなりの大作よね」
「どう、それで」
「凄かったわ」
 こう椎名の問いに答える月美だった。その優しい目が輝いている。
「とてもね」
「そうなの。そんなに」
「トルストイの他にも読みたくなったし」
「ドストエフスキーとか?」
「それよりもプーシキンかしら」
 ロシア文学をはじめたと言っていい偉大な詩人だ。ロシアにおいては詩聖とまで言われている。そこまで高名な詩人がプーシキンなのである。
「その人のを読んでみようって思ってるけれど」
「いいことね」
「いいことなの」
「ええ。ただし」
「ただし?」
「気をつけることがあるわ」
 こう月美に言うのであった。
「プーシキンには」
「何かあるの?」
「オペラだと全く違う」
「そんなに違うの」
「別物」
 オペラの話を出してきたのである。椎名はさらにその言葉を続ける。言葉を出しながらである。そのうえで今はバナナを食べていた。サンドイッチもお握りも野菜もである。全て奇麗になくなっていた。皆で食べてしまったのである。
「チャイコフスキーのだけれど」
「わかったわ、別なのね」
「チャイコフスキーは悪趣味だったから」
 椎名は意外なことを言った。少なくとも陽太郎にはそう思えるものだった。
 それでだ。彼もつい聞いたのだった。
「チャイコフスキーってそういう人だったっけ」
「ホモだった」
 恐ろしい事実が今語られた。
「女の人には冷たくていじめる趣味があった」
「実際にいじめてたら最悪だな」
「少なくとも作品の中ではそうだった」
 とりあえず現実でどうだったかはわからないというのである。
「原作でそうでなくても自分のオペラでは不幸にさせる」
「確かに悪趣味だね」
 赤瀬はネーブルを食べている。そうしながらの言葉だった。
「それって」
「そう、あの作曲
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