第五十七話 東へその七
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「平城は治めやすいが守りにくく」
「そうだ、逆に山城は守りやすいが治めにくい」
「山にいるとな」
「起きた世界の岐阜城は別だ」
山城として有名な城であるがというのだ。
「岐阜の平和に稲葉山だけありだ」
「その山に築いてるさかいな」
「この城はいいが」
実質的にそれでは平山城だからだというのだ、だからこそ織田信長も長い間この城を居城として天下統一を進めたのだ。
「しかし多くの山城はな」
「治めにくいわ」
「だからだ、治めやすく攻めにくい」
「平山城やな」
「大坂城ならそれが出来る、段も設ける」
築城の際にというのだ。
「そうして平山城にしてだ」
「拠点にするんやな」
「そう考えている、まさにだ」
「大坂は格好の場所やな」
「この島を統一するにはな」
「わかったわ、それがしも」
ここまで聞いてだった、耕平も納得して頷いた。
「ほな十二人揃ったら」
「大坂に戻る」
「そしてやな」
「天下統一を進める」
「そうしよな」
耕平は英雄に関西弁で応えた、そうして七人でまずは岐阜に向かった。その岐阜は堺や都程ではなかったが中々の賑わいだった。
その賑わいのある街の中に入ってだ、峰夫はその街の中を見回して言った。
「成程、この街はこの辺りで」
「中心の様だな」
「そうでありますな」
こう英雄に答えた。
「まさに」
「そうだな、そしてな」
ここでだ、英雄は街の中心を見た。そこには山があったが。
城はなかった、それで彼はこうも言った。
「この街は岐阜は岐阜でもな」
「わし等の世界の岐阜とは違うところもあるであります」
「城がない」
「その岐阜城が」
「何故かわからないがな」
「おそらくですが」
ここで言ったのは良平だった、良平もその山を見つつ言う。
「あの山は聖地、霊山なのでしょう」
「だからか」
「はい、城はないのでしょう」
「代わりに寺社がありそうだな」
「そしてこの町は門前町なのでしょう」
寺社の前に開かれた町だというのだ。
「そうなのでしょう」
「そういうことか」
「ということは」
寺社と聞いてだ、謙二が言うことはというと。
「あの山に寺社がいた場合」
「その寺社はかなりの勢力だな」
「はい、ただ」
「ただ?」
「若しもです」
謙二はその目を暗くさせて英雄に言った。
「あの寺が我々が島の統一を進める際に敵になれば」
「厄介だな」
「はい、あの山に籠られますと」
「城に籠られるのと同じだな」
「そうなります、見れば険しい山です」
高くそしてだ、傾斜も相当だ。
「あの山に籠られますと」
「攻めにくいな」
「それも非常に」
「岐阜城は堅城だった」
信長はこの城が稲葉山城といった頃に攻めて苦労した、それで墨俣に付
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ