EX回:第64話(改1.5)<艦娘たちの想い>
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あります。喜びや悲しみ……」
彼女の姿にブルネイの要人たちは一様に緊張していた。赤城さんの日本語が直接、通じなくても実際の艦娘が自らの意思で立ち発言している姿そのものが、まず彼らにとって大きなインパクトらしい。
「そして国家に対する忠誠心だって陸軍や空軍に負けない自負もあります」
彼女の感情を押し殺したような冷静な語り口が逆に艦娘たちの無念な思いを滲ませている気がするのは私だけだろうか。
(いやブルネイ提督も複雑な渋い顔をしている)
そうだ。直接、艦娘と接している者には次第に分かるようになってくる。彼女たちの想いや疎外感、悲しみというものが。
赤城さんは続けた。
「誤解を恐れず言えば深海棲艦たち……『彼女』たちの苦しさも最近は少し分かるようになったと思います」
「あ……?」
私は、変な声を出して反応した。
(ちょっと赤城さん。いきなり核心部分へ急降下爆撃ですか?)
そう思ってブルネイ提督を見ると彼も一瞬、顔が青ざめていた。
彼女がいう『深海棲艦』とは、あの大井(仮)のことだと思うが……その意図が、このブルネイの要人たちに通じるだろうか? 現に彼らも少し、ざわつき始めている。だが私と提督の心配をよそに彼女は続ける。
「もちろん、わが国だけではありません。世界を救いたい助けたい! その想いはありますが」
赤城さんは凛としている。普段のボーっとした姿からは想像もできない。
「いま量産化も着実に前進しています。実用化されれば、もっとたくさんの人を護ることができるでしょう」
彼女の巍然とした態度にブルネイ側の要人たちも何か言いたいのを制して話を聞いてるようだ。
「でも忘れないで欲しい」
次第に赤城さんの声が震えてきた。
「私たちは単なる機械ではありません。血の通った『艦娘』という新しい人間だと認めて欲しいのです!」
ここまで言い切って赤城さんは顔を押さえて泣き出してしまった。
いや彼女だけじゃない。他の艦娘たちも泣いていた。でも龍田さんペアはジッと耐えているけど。
(無理するなって)
隣に居た日向が赤城さんの肩を抱くようにソッと着席させた。誰が悪いわけでもないが、この状況では男どもが『女子を泣かせた』状態だな。こうなると男性陣は何となく気まずい雰囲気に浸ってしまう。
すると女性秘書官が手を上げた。ブルネイ提督が発言を促した。
以下魔除け
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