最終章:夢を追い続けて
第72話「想い起こした夢を追う」
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「その上を行く」
至極、単純な事だ。
そして、その手段を俺は持ち合わせている。
―――単一仕様能力“群軽折軸”起動
「ッ―――!?」
ギィイイイン!!
レーザーの雨を掻い潜る速度が上がる。
同時に、一気に駆け抜けて桜さんに肉薄。ブレードを振るった。
防がれはしたものの、その威力、速度に驚愕した桜さんは吹き飛ばされるように後退した。
「……おいおい……“単一仕様”能力なんだぞ?」
「………」
「……能力がもう一つあるなんてな……」
驚いたかのように、桜さんは言う。
……いや、これは……。
「“フリ”はやめてください。……わかっていたんでしょう?」
「……まぁな」
「“大器晩成”は飽くまで夢追に“備え付けられた”能力。担い手……俺と夢追による能力じゃない。そして、桜さんの“想起”も」
「………」
“大器晩成”は初めから使えた能力だ。
ゲームとかで例えるなら、事前登録特典みたいなものだな。
箒の絢爛舞踏などと違い、ISと通じ合うことで発動する能力じゃない。
……つまりは、本来の単一仕様能力ではなかったのだ。
「夢追が夢追である、想起が想起である故の単一仕様能力。……“大器晩成”も、“想起”も厳密にいえば“単一仕様”の能力じゃない」
「……その通り。そして、別に能力があるならば……」
―――単一仕様能力“飛翔・桜”起動
「……既に、使えるって訳ですね」
「ご名答」
能力を発動させた想起から、桜色の燐光が出ていた。
ただのエフェクトな訳がない。一体、どんな効果を持つのか……。
「……さて」
「――――ッ!!」
その軌道は燐光が伴って綺麗なもので……。
……そして、あまりにも速かった。
ギィイイイン!!
「くっ……!」
飛行能力に大きな補正がかかっているのか、明らかに動きが違った。
そして、気になるのは宙に残り続ける桜色の燐光。
……嫌な予感しかしない。
「っつぁっ!!」
ギギィイイン!!
「っと、気づいたか」
何とかブレードを弾き、間合いを離す。
もちろん、燐光からも距離を取った。
すると、桜さんはそう言って指を鳴らし……燐光が炸裂した。
「(飛行能力の補正と、その軌道に残る燐光の炸裂。……それに加え、俺と同じようにもう一つの単一仕様能力を同時に発動させている。……厄介に厄介を重ねられたな)」
ブレードを握りなおす。
未だに、桜さんと俺の差は大きい。
縮めてもすぐに離される。いや、
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