最終章:夢を追い続けて
第72話「想い起こした夢を追う」
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撃を警戒してすぐに飛び退いて距離を取る。
ギギギギィイン!!
「(もっと速く……!!)」
何度もぶつかり合う。だが、その度に俺は弾き飛ばされる。
……だけど、ここからだ。
「はぁあああああ!!」
―――単一仕様能力“大器晩成”起動
「ッ……!」
ッギィイイイン!!
次の瞬間、俺が桜さんを弾き飛ばしていた。
「二倍……いや、三倍、四倍……!おいおい、どれだけだよ……!」
「ふぅぅぅ……!」
「ッッ……!」
ギギギギギギギィイイン!!
「ッ、はぁっ……!」
息を整え、再び肉薄してブレードを振るう。
一際強くぶつかり合い、また間合いが離れる。
「単純計算でも3000時間は使い続けている……!そこまで努力を積んだのか……!」
「俺には才能がありませんから……!」
「ったく……末恐ろしいな!!」
ギギィイイン!!
桜さんの言う通り、単一仕様能力のおかげで夢追の能力が四倍以上になった。
だが、それでも桜さんは対処してくる。
「ッ!」
ギィイン!
「はぁっ!」
「ぜぁっ!!」
ギギギィイン!!
間合いが離れた瞬間、桜さんがブレードを投げつけてくる。
それを弾いた所へ、もう一刀を展開して斬りかかってきた。
俺ももう一刀展開し、その一撃を防ぐ。
直後、桜さんは弾いたブレードをキャッチし、俺と同じく二刀で攻撃を繰り出してきた。
「……軽々とそれを対処する桜さんには、言われたくないですね……!」
「はは、悪いな」
だけど、だからと言って余裕がある訳でもないのだろう。
さっきの戦闘のダメージが響いているだろうし、何より俺の攻撃を捌き続ける桜さんの表情が、一瞬強張ったりもしている。
「………」
生身の時よりも、勝機はある。
何より、俺と夢追はまだまだ力を出し切っていない。
「行くぞ、夢追」
【いつでも行けますよ】
「俺たち積み上げたモノ、見せてやるぞ!」
そういって、俺は桜さんへと切りかかる。
別に、俺は桜さんが言った時間程夢追に乗っていた訳じゃない。
ただ、生身での特訓で夢追のブレードを使ったりと日常的に使っていただけ。
もちろん、道具としてではなく、共に生きる相棒として。
「はぁあああっ!!」
―――“四重之閃”
「っ、はっ!」
ギギィイン!!
超速の四連撃を即座に放つ。
生身の時よりも発動が早いからか、桜さんの顔が僅かに驚愕に染まる。
「ぜぁっ!!」
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