暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第72話「想い起こした夢を追う」
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うのが俺でも分かった。

     ギギィイン!!

「ッ……!」

「そら、すぐ立て直さなければ足元から掬うぞ!」

     ギィイイイン!!

 ブレードで後退した俺を、桜さんは掬い上げるように切り上げを繰り出してきた。
 防御自体はしたものの、空中で俺は回転するように吹き飛ばされた。

「くっ!」

     ガガガガガガッ!!

 体勢を立て直すと同時に、盾を展開する。
 その瞬間、ライフルの弾が盾に命中した。
 ……やっぱり、すかさず撃ってきたか。

「ッ!」

     ギィイン!!

 弾が止んだと同時に、俺は後ろへとブレードを振りぬく。
 すると、後ろに瞬時加速で回り込んでいた桜さんのブレードとぶつかり合う。

「ッ、はぁああああ!!」

「ぉおおっ!!」

     ギィイン!!ギィンギィイン!!

 またもや宙を翔けながら何度も攻撃をぶつけ合う。
 さっきまでの攻防と違う事があるとすれば、それは……。

「ぐ、ぁっ!」

「どうした!それでは俺を捉えられんぞ!」

 ……俺が劣勢になっている。という事だろう。

「(元よりダメージが大きい。ISがある今でも、それは変わらない。体力はそのままに仕切り直しになったようなものだ。……俺が不利なのも当然だ)」

 ISらしく、俺たちは互いに大きく動いている。
 生身の時と動きは全然違う。
 だというのに……いや、だからこそ俺は劣勢に立たされているのだ。
 実際は劣勢どころじゃない。桜さんが合わせてくれているだけで、圧倒的だ。

「(……いや、何よりも)」

 俺と桜さんでは、決定的に違う事があった。
 才能ではない。それは十分承知だからな。

「……二次移行(セカンドシフト)していない夢追だと、どうしても出力に差が出るのか」

 そう。桜さんの想起は既に二次移行が済んでいる。
 対して、俺は未だに二次移行が済んでいない。
 これだと、どうしても地力に差が出来てしまう。
 ただでさえ才能で差があるというのに、これはきつい。

「……それでも、行けるよな?夢追」

【当然です】

「上等……!」

 ブレードを構えなおし、気合も入れなおす。
 基礎能力だけでは絶対に桜さんには勝てない。
 俺だけの“唯一”を上手くぶつけないと勝てないだろう。
 それこそ、生身での戦いで放った七重之閃のように。

     ギギギィイン!!

「(速く……)」

 旋回し、ブレードを振るう。
 弾かれるも、反撃を食らわないうように即座に離脱する。

     ギィイン!!

「(速く……!)」

 ブレードをぶつけ合い、一時的に鍔迫り合う。
 が、追
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