暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第72話「想い起こした夢を追う」
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んて回ってこない)」

 だからこそ俺は、即座に放てる中で最大の技にしたのだ。

「……さぞかし、努力を積んだのだろう。……だからこそ、俺と共に来る資格がある!」

「桜さん?」

 懐からスイッチのようなものを取り出し、それを押した。
 その瞬間、地響きと共に、天井が開き始める。

「これ、は……!?」

「……最後の戦いだ。生身での君の強さは十二分に理解した。……最後に、夢を追って羽ばたくその姿を見せてくれ」

 その瞬間、桜さんは立ち上がり、ISを纏った。
 ……まさか。

「……ISの戦いで、決着をつけるつもりですか?」

「……まぁ、そうなるな」

 桜さんは肯定する。
 だけど、それは。

「……桜さんが否定しようとした方法だというのに?」

「そういうな。確かに結局は戦いになっているが、これで魅せる本質は……文字通り、成層圏まで羽ばたく事だ」

「ッ!」

 その瞬間、桜さんは突撃してきた。
 そうなれば俺も応戦せざるを得なく、ISを纏う。

     ギィイイイン!!

「う、ぉ……!?」

「見せてあげようじゃないか!ISが、本当ならどこまで羽ばたけるのかを!」

 ブレードで応戦するも、そのまま俺を押して上空へと舞い上がる。

「【人に個性があるように、ISの意思にも個性がある。そして、IS達の中には空を自由に飛び回りたい上で、“競い合う事”に興味を持つ奴もいる】」

「【……一概に、競い合う事を拒否してる訳ではない。ということですか】」

「【そういうことだ】」

 プライベートチャンネルで言ってくる桜さんの言葉を、噛み砕いて解釈する。
 言いたいことは確かに分かる。戦争や争いごとが嫌いな人でも、格闘技などの競い合いが好きな場合があるのと同じだ。

「【狭い部屋の中で運動するより、広いグラウンドで運動する方が伸び伸びと出来るだろう?……それと同じという事さ!!】」

「っ!」

     ギィイイイン!!

 ブレードが弾かれ合い、俺たちの間合いが離れる。
 気が付けば、それなりに上空まで来ていた。
 目が良くないと、地上からは何をしているかよく見えないだろう。

「さぁ羽ばたこう!空を翔けようじゃないか!!」

「っ……!」

 桜さんのその言葉に、俺も何とも言えない高揚感に襲われる。
 ……そうだ。桜さんも、俺も一人の男だ。
 男なら……こういった、“ロマン”ある最終決戦は燃えるだろう?

【行きましょう。お父様の願いを叶え、私たちはどこまでも羽ばたきましょう。……無限に続く夢を追って!】

「……そうだな。行くぞ、夢追!!」

【はい!!】

 さっきまでの戦いは、あまり動き回らない
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