暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生と和歌山の海と山
第十一幕その八
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「それで勝っているんだよ」
「そうだったね」
「強かったんだ」
「それで有名なんだね」
「うん、とてもね」
「その人がいたね」 
 王子はあらためて思いました。
「強い人だと」
「そうだよ、あとスポーツだとね」
 こちらの人のお話もした先生でした。
「西本幸雄さんもおられたよ」
「あっ、阪急や近鉄の監督だった」
「そう、最初は大毎の監督をしてたね」
「八回のリーグ優勝をしたんだよね」
「あの人も和歌山の人なんだ」
 この県の出身だというのです。
「そうだったんだ」
「へえ、関西の人だとは思っていたけれど」
「和歌山出身だったんだ」
「それは意外だね」
「何しろ和歌山は南海だからね」
 ここで笑ってお話をした先生でした。
「南海も阪急も近鉄も昔は球団を持っていたね」
「そうそう、ホークスにブレーブスにバファローズに」
「三球団で競り合っていたんだよ」
 関西の鉄道会社を親会社とするチーム同士で、です。
「今は阪神だけになったけれどね」
「あのチームだね」
「あのチームはリーグも違うしね」
 三球団はパリーグで阪神はセリーグです。
「それに阪神はまた特別だからね」
「独特の魅力があるからね」
「だから置いておいて」
 阪神はです。
「とにかくパリーグの三球団は鉄道会社が親会社でね」
「西本さんは阪急と近鉄だから」
「南海とはね」 
 どうしてもです。
「ライバルであってね」
「馴染みがないどころかね」
「敵だったんだね」
「和歌山の会社とはね」
 どうしてもだったのです。
「そうだったんだよ」
「そうなんだね、けれどだね」
「和歌山出身だったんだ」
 そうだったというのです。
「実はね」
「そのことは面白いね」
「南海に関わるのある場所出身でね」
「ずっと南海の敵だったなんてね」
「そこは面白いよね」
「そうだね」
 王子は先生に笑って応えました。
「このことは」
「しかも西本さんはお酒が飲めなかったんだ」
「あれっ、そうだったんだ」
「そう、甘いものがお好きでね」
「へえ、じゃあ僕達みたいに梅干しや海の幸で飲んだりとかは」
「しなかったんだ」
 そうだったのです、実は。
「これは南海の監督だった野村克也さんもだったんだ」
「ああ、あの人ずっと南海の人で」
「そう、現役時代の殆どと最初に監督を務めたチームはね」
「南海だったね」
「西本さんと長い間戦ってきた人だけれど」
「あの人も飲めないんだ」
「そうだよ」
 このこともお話した先生でした。
「ライバル同士だったけれど」
「そこは一緒だったんだね」
「しかもね」
 さらになのでした。
「お互いに認め合ってもいたんだ」
「ライバル同士でだね」
「そうでもあったんだ」
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ