戦いの前に
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きないが。
ま、結論的にシミュレーションの敗北などどうでもいいと思っていそうではあるのだが。
「懐かしいですね、アレス先輩」
同調するような声が背後から聞こえた。
こちらには目を向けず、ただ巨大スクリーンだけを見つめている。
先ほど少しあったが、一年たてばもはや最初にあったときの幼さは影を潜め、青年といっていいほどに成長していた。むしろ今ではセランの方が遥かに幼く見えただろう。
優し気な雰囲気はそのままにして、どこか強さも感じさせられる。
それはそうだなとアレスは思う。
彼は今では五学年の主席。
アレスのように苦手科目があればその位置に立つことなどできないのだ。
アレスの視線に気づけば、テイスティアは顔をこちらに向けた。
「作戦会議はいいのか」
「情報収集も大切なので」
「どちらが勝つと思う?」
「アレス先輩はどうですか」
「なぜ、俺に聞く」
「だって、アレス先輩の逆に賭ければ絶対にあたりますから」
「いうようになったな」
笑顔を返す横で、スクリーンが大きな文字を映す。
『攻略戦/防衛戦』
地図がゆっくりと広がっていく。
本拠地と四か所の防衛施設に対して侵攻するライナ・フェアラートのチーム。
それらを守護するのはセラン・サミュールのチームである。
四年前――戦術シミュレーション大会の第一回戦決勝で、ヤンに敗れ、そして勝利した戦場が、目の前に広がっていった。
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