第44話
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「………”蒼の深淵”ですか。この前来た定期報告の際にクロスベルに来てはいる話は聞いていましたが。やはり”使徒”である彼女が執行者達に何らかの指示を?」
エマの推測を聞いたアルティナは考えた後自身の推測を口にした。
「うーん、あのアマのことだから十分ありそうなんだけど………ここ半年、追いかけた限りじゃちょっと様子がおかしいというか。」
「そうなのか……?」
「ええ、確証はないのですが足跡を追ってみると違和感が……」
「それよりもエマ。せっかく噂の魔女の眷属(アタシ達)とは違う”魔女”とも会えたんだから、何か聞いたらどうかしら?」
「セ、セリーヌ。」
セリーヌの指摘にエマは気まずそうな表情でゲルドに視線を向け
「……………………」
「えっと……やはりエマさんは”魔女”として違う世界の”魔女”であるゲルドさんの事が気になっていたんですか?」
視線を向けられたゲルドは静かな表情で黙り込み、セレーネはエマに訊ねた。
「ええ、まあ………その、ゲルドさんと仰いましたよね?いくつか聞きたい事があるのですが………」
「……何を聞きたいのかしら?」
「プリネ皇女殿下達の話によりますとゲルドさんは”予知能力”―――”未来を視る事ができる異能”をお持ちで、その異能によって視えた未来の為に新Z組に編入したとの事ですが………ゲルドさんはどうしてその未来の為に新Z組に編入したのでしょうか?」
「そうね………いくつか理由はあるけど一番の理由はいずれ起きるエレボニア―――ううん、この世界の”運命”を左右する出来事を未然に防ぐ為に私は第U分校に編入したの。この世界の”運命”を左右する出来事を未然に防ぐ為には私がその場にいる必要もあるから………」
「ゲルドさん………」
「……………」
エマに訊ねられて答えたゲルドの話を聞いたセレーネは心配そうな表情をし、リィンは真剣な表情でゲルドを見つめた。
「エレボニアどころかゼムリア大陸の”運命”を左右する出来事ですか………」
「……いきなり滅茶苦茶気になる話が出て来たけど……何でアンタは自分にとって何の関係もないこの世界の為に動いているのかしら?」
「関係なくなんてないわ。今私がこうしてこの世界で生きている…………私にとっても十分関係があるでしょう?」
自分の話を聞いたエマが真剣な表情で考え込んでいる中セリーヌの問いかけに対して静かに首を横に振って答えたゲルドは優し気な微笑みを浮かべ
「………………なるほどね。アタシ達やあのアマのように何らかの意図があるかと思っていたけど、ただ単にアンタが信じられない程”お人よし”なだけだからこの世界の為に動いているのね……あのアマにアンタの爪を煎じて飲ませてあげたいくらいだわ
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