第3章
月光校庭のエクスカリバー
第28話 エクスカリバーを許さない!
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雨が降りしきる中、僕は傘も刺さずに歩いていた。熱の上がった頭にはちょうどいいぐらいだと思う。
──俺たち、仲間だろ!
脳内にイッセーくんの言葉が響き渡る。
・・・・・・すまない。僕は本来、仲間と楽しく過ごしちゃいけないんだ。そんな資格なんか僕には・・・・・・。
恩がある部長にもあんな態度をとってしまった。・・・・・・『騎士』失格だね。
バシャバシャ。
雨とは違う音を僕の耳が捉える。
「あっ、ああっ! た、助けてぇっ!?」
「・・・・・・神父?」
音がするほうを見ると、物陰から神父が出てきた。
何かに追われているのか、必死の形相で逃げるように助けを求めながらこちらに向かって走ってきた。
「あああああああっ!?」
神父が突然、悲鳴をあげてその場に倒れ伏した。
見ると、背中に大きな切り傷があった。
「ッ!」
異常な気配を察し、顔をあげて神父の後方を見る!
「やあやあ、ヤッホー」
そこには長剣を持ち、神父服を着た白髪の少年がいた! そして、僕はその少年神父を知っていた!
「おっひさだねー。誰かと思ったらー、クソ悪魔のクソ色男くんではあーりませんかー」
「フリード・セルゼンッ!」
白髪のイカれた少年神父──フリード・セルゼン。以前、堕天使との一戦で僕たちとやりあったはぐれ神父であった。
「・・・・・・まだこの町に潜伏していたのか?」
「すんばらしーい再会劇に、あたしゃ、涙ちょちょ切れまくりっスよ! フッフッフー!」
・・・・・・相も変わらず下品でふざけた言動だ。
「・・・・・・あいにく、今日の僕は機嫌が悪くてね」
ちょうどいい。この溜まりに溜まった鬱憤をはらさせてもらおう。そう思った僕は右手に魔剣を創り出す。
「ヒャハハハハハッ! そりゃまた都合がいいねー! ちょうどオレっちも、神父狩りに飽きたところでさー!」
彼はそう言うと、手に持つ長剣を掲げてふざけたように振り回し始めた。
「ッ!?」
彼の持つ剣を見て、僕は驚愕する。
「その輝き、オーラ──まさか!?」
「バッチグー! ナイスタイミーング! 以前のお返しついでに試させてくんねぇかなぁ? どっちが強いかー! おまえさんのクソ魔剣と、この聖剣エークスカーリバーとさぁッ!」
「ッ!」
僕はエクスカリバーを許さない!
―○●○―
そこはとある廃教会。先日、アーシアを巡って堕天使とグレモリー眷属たちが相対した場所だった。
その廃教会にローブを纏った三人の少女と一人の少年と青年が訪れた。
「・・・・・・随分と荒れ果てたものだ」
少女の一人が廃教会の惨状を見てそう漏らす。
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