第3章
月光校庭のエクスカリバー
第28話 エクスカリバーを許さない!
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たのか少しはマシになっていたけど、それでも本調子とは程遠い状態だった。
だが、そんなことは関係ない! あの剣は僕が折らなければ意味がないんだ!
「──どいてくれ」
僕は少し殺気混じりで冷たく言い放つ。本来、仲間である彼に向けるようなものじゃないのかもしれないがこればかりは譲れなかった。
「やめて!? 私のために争わないで!」
いきなりオネエ口調になってそんなことをのたまうフリードに明日夏くんは「黙れ」と言わんばかりに殺気を向ける。
だが、殺気を向けられた彼はむしろ嬉々とした表情を浮かべるだけだった。
「安心しろよ。全員平等にキルキルしてやるからよぉ! ──って言いたいところだけどよぉ、わりぃ。お呼びがかかっちゃたわぁ。てーことで──はい、チャラバ!」
カッ!
「「ぐっ!?」」
フリードが何かを地面に叩きつけた瞬間、眩い閃光が襲い、視界が潰される!
閃光が晴れると、そこにはもうフリードはいなかった。
―○●○―
チッ。ただでさえ厄介な奴なのに、それに加えてエクスカリバーを持ってるだと。クソッ、フリードの野郎、さらに厄介になりやがって。
「・・・・・・言動はふざけているが、相当できる男のようだな」
槐が刀を振りながら言う。
よく見ると、槐の持つ刀の切っ先から血が滴っていた。おそらく、フリードの血。
あの視界を潰された状態でも的確にフリードの奴を斬りつけたのか。いや、槐の言い分から斬り伏せるつもりだったんだろうが、フリードも対処したということなんだろう。
「クッ!」
「ッ! 待て、木場!?」
木場がフリードを追うように駆け出そうとしたのを見て、俺は肩を掴んで木場を制止する。
「はなせ! 奴は! 奴はエクスカリバーを持っていたんだ!」
憎悪に歪ませた形相で俺を睨みつけながら叫ぶ木場。
「だったらなおさらだ! あのまま戦っていれば、死んでたかもしれないんだぞ! いいかげん、頭を冷やせ!」
俺は木場の胸ぐらを掴んで言い聞かせるように叫ぶ。
「黙れ! キミに何がわかる! 僕の何が──」
「──おい」
俺の手を振りほどいて捲し立てる木場の肩に槐が手を置く。
「ッ──っ!?」
木場が振り向いた瞬間、槐の掌底が木場の鳩尾に打ち込まれた。
「ぐっ・・・・・・き、貴様・・・・・・!」
「おっと」
槐の一撃で意識を失って崩れ落ちた木場を慌てて支える。
「・・・・・・容赦ねえな」
「言っても聞きそうになかったのでな」
まぁ、それはそうだな。
とにかく、こいつをこのままにしておくわけにはいかねぇし、とりあえず、家に運ぶか。
「おまえはどうするんだ?」
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