152 表現(いままでのきもち)
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違った。
「瓜原君、君の演技凄かったよ。でも、僕は君を超えて見せるよ!」
「楽しみやな。超えてみい!!」
藤木は瓜原と別れ、リンクに向かった。
(皆、見ていてくれよ!!)
藤木は音楽が流れると共に滑り出した。一方、女子控室のモニターから見ている美葡や黄花、古宮も藤木を応援していた。
(藤木君・・・、頑張ってな!!)
藤木が滑り出す。音楽が流れ始めた。まず始めに見せたのはダブルトウループ、そしてすぐにトリプルサルコウ。これはリリィと共に高山へ旅行に行った時、偶然花輪とマーク、ルリ子と出会い、そして片山と初めて知り合った時を表現した。トウループもサルコウもきれいに決めた。
(あの時、僕はあそこで初めて、リリィに自分の演技を見せた・・・。そして片山さんと初めて会った・・・。全てはそこから始まったんだ・・・)
その時、自分の技術を見て驚いたルリ子の言葉が蘇る。
《アナタ、凄いわ。本当の、スケーターみたい!》
そして花輪の言葉も思い出す。
《Hey、藤木クン、凄いprayだったよ。僕らも脱帽さ》
そしてその時のリリィの感想は・・・。
《藤木君、かっこよかったわ。私も見惚れちゃったわ》
そうだ、あの時はリリィも惚れた。その時リリィに自分のスケート姿を見せる事ができた嬉しさだ。そして藤木の滑り方が変わった。そして次に表現する者は不幸の手紙で一時的にリリィや笹山から嫌われた哀しさを示すシングルアクセルとシングルルッツ。そしてその絶望の先にみどりに堀と出会い、堀への心変わりを考えるくらい彼女らに助けれられたそのありがたさ。その時のみどりの言葉が蘇る。
《藤木さんのその寂しい気持ち、私にもわかります!もし藤木さんが寂しいならば私はいつでも傍にいます!だって、藤木さんは私の大切な人ですから・・・》
(そうだよね、みどりちゃんはそれでも僕の為にいろいろやってくれていたよね・・・。みぎわと冬田にばったり会った時、僕を庇っていたし、地区大会の時も僕を必死に応援していたね・・・)
藤木はみどりが堀によって精神的に強くなった事を思い出しながら、フライングコンビネーションスピンを行った。そして自分の弱みであり、全てである卑怯を治したい為に地区大会に出場した。自分に大会を勧めた堀の言葉を思い出す。
《弱気になっちゃだめよ。卑怯を治したいって自分で言ったでしょ?積極的にならなきゃ!》
(そうだよね。卑怯を治したいなら弱気になっちゃだめだよね、堀さん・・・)
「藤木、お前凄いブー」
ブー太郎が感心していた。
「あぁ、あいつはやっぱりスケートじゃ、誰にも負けねぇぜ」
関口も陶然としていた。
(藤木君、今の回転かっこよかったわ・・・)
リリィは藤木のスピンに見惚れていた。藤木の演技は続く。藤木は不幸の手紙の事件が解
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