140部分:第十一話 プールでその七
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第十一話 プールでその七
「凄いからいいと思う」
「いいの」
「そう、いい」
言うまでもなく彼女を褒めてフォローする言葉である。
「つきぴーのお料理は自信持っていい。じゃあ行く」
「よし、じゃあ豪快に泳ぐか」
「そうね。泳がないとね」
「プールに来たら泳ぐんだよ」
狭山はもう今からそのことを考えているのだった。そうして津島にも応える。
「じゃあ行くか」
「それでどれだけ泳ぐのよ」
「三キロは泳ぎたいな」
「相変わらず泳ぐの好きなのね」
「ああ、大好きだよ」
自信満々に津島に応える。そんなやり取りをしてだった。
皆でプールに入る。陽太郎はここでまた驚くことになった。
「えっ・・・・・・」
「だよな」
「これは本当に」
彼だけでなかった。狭山と津島も唖然だった。その顔で水着姿の月美を見てだ。そのうえでそうした顔になってしまっていたのだ。
「凄いよな」
「ええと、何カップかしら」
「Gですけれど」
こう津島の言葉に応える。比較的露出のない青いワンピースだがそれでもだ。月美は充分過ぎるまでに凄かった。津島は黒地の競泳水着だ。胸は普通程度だが尻のラインがかなりいい。彼女にしてもかなりのプロポーションである。
「それが」
「Gって」
「いや、凄い迫力」
今度は狭山と津島が言う。
「そうか、陽太郎って幸せなんだな」
「どれ位っていうの?ここで」
「俺と同じ位だな」
「よし、合格よ」
二人はさりげなくそんなやり取りもした。
そしてそこに椎名が来た。彼女は白いビキニだ。だがそれはあまり目立たないものだった。狭山も彼女を見ては特に何も言わなかった。
「ふうん」
「ふうん、なの」
「ああ、それだけだな」
返答も実に素っ気無い。
「じゃあな」
「帰るみたいに言わない」
「いや、俺ロリコンじゃないしよ」
こう椎名に返す。
「別にそれはよ」
「それで返答はないの」
「別に聞きたくもないだろ」
「確かに」
「じゃあいいよな」
これで強引に話を終わらせてしまった。
「それじゃあな」
「それでこれからどうするの」
「だから泳ぐんだよ」
他の選択肢は用意してなかったらしい。先程と同じ返答だった。
「精一杯な」
「そうそう、お昼までね」
津島も言う。
「じゃあ百メートルプール行くか」
「そうね、そこでね」
二人はそれで話を決めた。そして椎名と赤瀬もだ。
「何処に行くのかな」
「滑り台」
そこだと答える椎名だった。
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