=体育祭編= F.T.P
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「警察が来た?」
「ただの警察だったら大騒ぎしないんだがな――思いがけないのが出てきた」
「本庁の特殊部隊でも来たのかい?」
「違う。公安だ」
「――へぇ。なんと言っている?」
「詳しい話はあってからだが、大まかには………」
そこは雄英の校長室。会話するのは教師の一人、スナイプと、部屋の主の根津。彼らが話しているのは、トーナメント開始前に起きた突然の『襲撃事件』だ。襲撃者は砥爪そっくりの容姿と個性を使う謎の少年で、被害者は砥爪本人と騒ぎを聞きつけた水落石。正当防衛のための迎撃によって謎の少年が失神した後に事態が発覚し、雄英は可能な限り目立たない形で警察に通報をしていた。
しかし、現場の情報を送るうちに警察側の対応が徐々に変化していき、現在は「公安」などという物騒な組織も出張ってきている。
「まず今回の加害者の身柄の引き渡し。これは妥当だ。次に現場保存、これも妥当。身柄は既にハウンドドッグが拘束している。現場はセメントスに簡単に塞いでもらっている」
「うんうん」
「被害者2名への任意事情聴取もだ。これは砥爪の方は同意してるが、水落石は大会が終わってからでいいという事だ。いや、いっそ砥爪が本命であるかのようだ。カンだが、単に被害者という以上の情報を求めている気がする」
「つまり、公安はもしかすれば砥爪君に前から目をつけていた――まぁ、加害者の顔を見れば重要視するのはむしろ当然だけどね。そこは邪推でしかない」
「最後がな。――事件に関する一切の情報に対する箝口令。雄英としては有難い話でもある。ヴィラン連合襲撃から間もないタイミングでまた警備の不手際と騒がれては面子も立たないからな。問題は、あちらがその条件を先に提示してきたことだ」
「最終的に警察の判断になるのは確かだが、その言葉が出るには対応が早すぎる。間違いなく、加害者の少年には『やんごとなき』何かがあるね」
ヴィラン連合のそれも稚拙な部分はあったが、単独で乗り込んで単独で撃破されて拘束されるという不自然――或いは無謀極まりない犯行。まして現場はどこを見てもプロヒーローだらけの会場に態々乗り込んできている。
関係者以外立ち入り禁止のエリアには砥爪の親族の振りをして入り込み、内部では堂々と本人の振りをして非ヒーロー職員の前を堂々と闊歩。最初は変身系個性も疑われたが、ふたを開ければ砥爪と同じ個性を使っていたというのだ。動機も不明、身元も不明。現状、手詰まりだった。
「――それで、砥爪くん。警察が来る前に、色々と話をしておこう。大丈夫、君はなにもやましい事はないのだろう?水落石くんともども、罪に問われることはないだろう。まぁ公欠を取る必要性もあるかもしれないけどね!」
「校長先生……」
「だから、何か迷いや悩みがあるなら先生に相談しなさい。相澤くん
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ