第七十話 何進、姿を現すのことその二
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「だって心は人間だから」
「だから人間なのよ」
「そうだな。二人共間違いなく人間だ」
華陀は微笑んでだ。二人の言葉に応えて話した。
「少し長生きしているだけだ」
「それだけだというのか」
「ああ、それだけだ」
華陀は獅子王の問いに対しても答えた。
「他に何かあるのか?」
「いや、いい」
獅子王は華陀にこれ以上言わなかった。言うのを止めたのだ。
そしてだ。そのうえでだった。こう華陀に話した。
「とにかくだ。また出発するのか」
「ああ、暫くしたらここに戻る」
「一旦ね」
「そうするわ」
こう言ってだ。三人はだ。
すぐにだ。漢中を後にしたのだった。
まさに瞬間移動だった。それによってだ。
予州に辿り着いた。そこに着くとだ。
いきなりだ。目の前にだ。
曹操の兵達がいた。彼等は華陀よりも二人を見てだった。
「な、何だあれは!」
「怪物か!?」
「人間ではないな!」
「絶対にそうだ!」
誰もがだ。二人を人間とは見なさなかった。そしてだ。すぐにだった。
「将軍の方を御呼びしろ!」
「そ、そうだな!」
「軍師の方もだ!」
「御呼びしろ!」
こうしてだ。怪物達を囲んでだった。
そのうえでだ。然るべき相手を呼んだ。そうしてなのだった。
来たのは。彼女達だった。
「な、何だと!?」
「また出て来たの!?」
夏侯惇と荀ケだった。来たのは二人だった。
「おのれ、死んだのではなかったのか!」
「んっ!?死んだ?」
荀ケは夏侯惇のその言葉に眉を顰めさせた。
そのうえでだ。彼女に顔を向けて尋ねた。
「何で死んだってなるの?」
「違ったか?」
「少なくとも死んだってことにはなってないじゃない」
荀ケはこう彼女に言った。
「消えてはいるけれど」
「そうだったか」
「そうよ。あの時大暴れして空に消えたじゃない」
「ううむ、あまりにも異常な状況だったからな」
「勝手にそう思ったのね」
「間違いだったか」
「そうよ。そう思いたい気持ちはわかるけれど」
それでもだというのである。
「とにかく。また出て来たから」
「ううむ、怨霊め」
「あら、失礼ね」
「うら若き乙女を捕まえて怨霊だなんて」
「私傷ついちゃったわ」
「私もよ」
「ええい、黙れ黙れ!」
夏侯惇は怪物達に対して怒鳴った。
そのうえでだ。大刀を構えて。こう告げるのだった。
「ここで会ったが百年目!成敗してくれる!」
「御札も用意してあるわよ」
荀ケはそれを出してきていた。
「妖怪を封印する為のね」
「よし、それでは今はだ」
「ええ、怪物退治よ」
二人は勝手にそう思い込んでいた。
「それで」
「だから失礼しちゃうわねえ」
「こんな乙女を捕まえて」
「まだ言
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