EX回:第63話(改1.6)<要人たち>
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ず非礼を、お詫びします』
それを受けてブルネイの公安関係者らしき男性が言う。
『言い訳でなく艦娘の詳細を聞きたい』
提督は少し焦ったように答える。
『ハッ。わが国の海軍の主力は基本的に軍艦ですが近年台頭してきた深海棲艦により、まったく無力と成っておりました。そこに、この艦娘たちが……』
『うーむ、すごいぞ、すごいなあ』
突然、声がした。
(今度は誰?)
振り向くと、例の男性。
(あぁ、ちょっと恰幅のいい別の王室関係の人か)
彼は感情が先走りそうなタイプだな。
『理屈はもう良い。強くて美しければ、それで良いな』
そう言いながら急に立ち上がった。
『おぉ! あの頭に王冠を乗せた高貴な雰囲気の彼女たちが王宮にはふさわしいのう』
(え?)
思わず彼の視線の先を見た。
……なるほど金剛たちのことか?
(あいつらのどこが高貴なのか理解に苦しむが)
金剛姉妹の服装は紅白の巫女スタイルに金糸だから。
(まあ確かに頭のキンキラ金は王冠に見えるかなぁ)
見方によっては高貴とも言えるかも知れない。何だか妙な雰囲気になって来た。
『しかし具体的なスペックも知りたいところです』
今度は軍服を着た男性が割って入る。
いかにも彼は軍人だ。
(作戦参謀クラスって感じかな)
王宮関係の男性が立ち上がる……とりあえず彼は『王宮男性』としておく。
『いやぁ、すぐにでも来て貰いたいものじゃ』
彼は金剛たちに向かって近寄っていく。姉妹たちが引いているのが分かる。
『oh! ……マジですかぁ?』
さすが帰国子女、とっさに英語が飛び出すが、ブロークン過ぎるっ!
「お、お姉さま! ここは、穏便に……」
何かを察知した比叡が日本語でフォローする。
「オ・ン・ビ・ンって、ナニね?」
身に迫る危険を感じながら、やや焦りと苛立ちを交えて日本語で答える金剛。こめかみがピクピクしている。
「いや、その……」
比叡も困っている。そうこうしている内に『王宮男性』は彼の射程距離内に金剛たちを捉えた。
さすがにブルネイ提督も、この状況には困惑し苦笑している。何しろ相手はブルネイの王宮の要人であり無下に止めるわけにもいかないのだろう。
……かといって、このまま放置するわけにもいかない。板ばさみのような状況で彼も困っていた。
だが困惑しているのはブルネイ側の王室関係の人たちも同様。何となく、あたふたしている。
(だが正直、彼らも手出しできない状況だな)
私は妙にニタニタしてきた。
王室関係者らしい日系の通訳の男性も、そして美人系の秘書担当女性も困っていた。果たして、これはどうするべきか?
そう思っていたら急に一人の艦娘が立ち上がって『王宮男性
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