第四話「迷い」
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めて、思いっきり周囲の煙にむけて振り仰いだ。本気の力で煙で仰ぐと、黒煙は消滅していき、その奥で燃え続けている火も消し飛ばされ、それを周囲へ仰ぎまわしていく。
それを繰り返していくうちに、火事は徐々に消化されていった。
焼き焦げた家から二人の子供を抱えて俺が出てくるのを見て、周囲が騒然とした。
「子供は、無事ですよ?」
と、俺は震えながら駆け寄ってくる魚路さんへ子供を渡した。子供らはこの通り元気だった。
「あ、ありがとう! 本当に……!!」
何度も、俺の手を握りしめて魚路さんはそう言い続けた。俺は、周囲から拍手喝采を浴びた。こんな俺が、こうして……
*
その後、薄暗くなった神社前まで朱鳥をバイクで送ってきた。
「ごめんね? 今日は楽しんでもらおうと思ってたのに……」
「いいって、今日は結構楽しめたさ」
火事になったのは予想外だったが、それが切っ掛けで何かわかったきがした。
「あ、あのさ?」
俺は、思い切って彼女にこう告げた。
「桑凪さん……俺、いきなりこういうこと言うのもなんだけど」
「どうしたの?」
「俺……ライダーをやめるよ」
「えっ? えぇ!?」
「いやいや! そういう意味じゃないんだ。これは自惚れかもしれないけど、今日何となく自分がすべきことってことがわかったような気がするんだ」
「それって……」
「仮面ライダーに変身しなくても、今の力で誰かを守れるんじゃないかってさ……」
「九豪君……」
「俺、決めたよ! 蓬町の人たちのためにこの力を使おうって。今後も、ああいった事が起こるかもしれないし、俺の力で世間から見放されてしまった蓬町を救いたいんだ。だから、今持てるこの力で町と、町の人たちを守りたいんだ。仮面ライダーに変身しなくてもね……」
先輩方の中にも、きっと戦いを嫌って誰かを守るためにライダーに変身しない人もいたかもしれない……
――この力は自分だけの物じゃないんだ。力のない、誰かのために……
オーストラリアにて
舞台は、オーストラリアの自然区域にて「魔女狩り」と呼ばれる虐殺が行われていた。
ISの到来と、それによってもたらされた女尊男卑という性差別の影響によって起こった残虐な復讐の戦い。
歴代「悪の仮面ライダー」たちが集ってISとそのコア、そして操縦者である女性たちを発見し、破壊・抹殺・虐殺を繰り返して、その賞金首やISのコア破壊の数を競い合う闇世界で行われる残酷な殺戮ショーである。
この戦いの優勝者にはどんな願いも叶えるという望みが手に入る。
また、この企画の運営者は世界の破壊者ディケイドという噂もあり、魔女狩りのルールに背くライダーはディケイドによって罰を与えられるとのこと。
「た、助けてぇ……」
ボロボ
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