第四話「迷い」
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でも好奇心から乗ってからは結構楽しんでいるようだった。
俺は、朱鳥が後ろで支持する通りにバイクを走らせていくと、徐々に下町っぽい道へとたどり着いた。
蓬町。そこは、とある横町であった。鄙びた商店街がシンボルのようで、女尊男卑が到来する前まではとても活気あり、栄えていた町であるとか。また、ところどころ古風な町並みゆえにかつての古き良き時代の象徴ともいべきスタイルでもあった。
「ここが、その蓬町?」
しかし、その町の町長や団体が今もなお男女平等を掲げ続けていることに対して都知事はこの町だけ電気や水道を断ち切ってしまったのだ。なんとも非常な行為であろうか。しかし、この町で暮らしている発明家とその助手らによって発明されたエネルギー供給装置によって、町の人たちは難なく不便な暮らしだけは免れているとのこと。
……以上が、朱鳥が説明してくれたこの町の経緯だ。
「結構、良い町だね?」
雰囲気からして、良い人たちがいっぱい住んでいそうな町に見えた。
「みんないい人ばかりですよ? 私も小さいころ、この町のおじさんやおばさんたちに可愛がってもらいましたから」
「桑凪さんは、いつも来ているの?」
「ええ、買い出しとしても来ますし、ボランティアでも来たりします」
「ボランティア?」
「はい、小さい子たちの子守や、一緒に遊んだりとか……あと、お年寄りの方とかの介護とかしたりします」
「そうなんだ……」
朱鳥にとって、この町は思い出の場所でもあるのか。
「あー! 朱鳥お姉ちゃんだ〜!!」
商店街へ足を踏み入れて早々に、子供たちが朱鳥の元へ駆け寄ってきた。
「お姉ちゃん遊ぼう!?」
「あれ? あっちの太ったお兄ちゃんは誰?」
「本当だ! でぶっちょ〜!!」
子供の一人が心から思う事を一直線に俺へ投げつけた。
「太った……でぶっちょ……」
ま、否定はしない。しかし少しショック……
「こ〜ら? 失礼だよ? こちらの大きなお兄ちゃんはお姉ちゃんの友達なんだからね?」
と、朱鳥。大きいとまでなら許せるけど……うん。
「そーなんだ……」
すると、子供たちは俺の元へ駆け寄ってきた。そして、一斉にこう言いだす。
「お兄ちゃん! 怪獣ごっこ!!」
「ちがうよ! 戦隊ごっこ!!」
「プロレスだっー!!」
「おままごと〜!!」
「……」
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そうか、大きいお兄ちゃんキャラが増えれば、そりゃあそういう子供の遊びに勧誘されるわな?
――ま、ここは一つ……
「この指とーまれー……」
棒読みで、俺は適当に人差し指を伸ばすと……
子どもは一斉に俺の腹回りへ飛びついてきた。 男の子以外にも女の子も負けじと俺にしがみつく。こうなったら、ライダーごっこも何も
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