第六十七話
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階より上の階の掃除を終わらせてしまおう。もうバ○サンは効き終わってるはずたからね。」
そう言えば、そんなことしてたな。いろんなことがありすぎて忘れてた。
「午後には皆で遊びをかねた訓練をしようと思ってる。楽しみにしていてくれ。」
おぉ、と皆が声を出した。
恐らく、レクリエーションみたいな感じを想定しているんだろう。戦闘の『せ』すら知らない連中にはちょうど良いだろう。
俺は少し気になって、入り口に一番近い席に座っている若葉を見た。
若葉は、拓海の顔をじっと見ていた。
「それと、軽くトラブルが起きてね…………医務室に怪我人が一人いるから、勝手に入らないように。」
それを拓海が言った瞬間、若葉の表情が歪んだ。
会いに行こうとでも考えていたのだろうか。
拓海もそれを感じていたのか、若葉の方をちらりと見ていた。
拓海はその後、掃除の班分け等を連絡した。
「それじゃあ、各々持ち場に付いてくれ。」
拓海の合図と共に、俺達は席を立った。今日は、榛名さん、五十鈴、不知火の三人と四階をすることになった。
「ねぇ、木曾?」
俺が席を立ち上がると同時に、俺の左隣に座っていた五十鈴が声をかけてきた。
「貴方、本当に男なのよね?」
「…………おう。生物学上、間違いなく男だぜ?」
昨日から何度もされた質問に、全く同じ答え方をする。まぁ、素っ裸にでもならない限り、証明は出来ないが。
「ふぅん……いやね?女の子に見えなくもないなーって思ってさ。口調は完全にあれだけど。」
余計なお世話だ。悪かったな口が悪くて。
「まぁ、口の悪い人達と過ごしてきたからな…………。」
俺の脳内には、親父やお袋、悠人や悠人の親父さん、テキ屋のあんちゃんや学校の仲間等々が浮かんでいた。
…………あれだな。たぶん俺は、艦娘になってなかったとしても濃い人生を送ってたんだろうな。
「……木曾。こんにちは。今日はよろしくお願いします。」
俺が人間だった頃を思い出していると、不知火が話し掛けてきた。
「ん、よろしくな。」
しかし、不知火か。
火を知らず、その言葉が似合うような、落ち着いた冷静な性格の娘だなと感じた。
それと比べて五十鈴は強気そうなつり目にツインテール。いかにも活発そうだ。
「すいません、春雨さんと話していて…………お待たせしました。」
そして、丁寧な物腰をした榛名さん。
…………おおう、問題児っぽいのが一人もいない。昨日の若葉が居たときに比べると、圧倒的に楽そうだ。
「うし、それじゃあ行くかな。」
俺とその三人は、揃って食堂を後にした。
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