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ONE PIECEを知らないエヴァンジェリン中将が原作を破壊するようです
第1章 ネオオハラ・イン・ブリザード
第3話 CP9 オハラより愛をこめて
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った。
嫌そうな顔をするのも無理はないか、と彼は思う。
バスターコール。
エヴァンジェリンと組んで経験の長い副官は、当然それを経験している。
正直気は進まない。
けれども、やれと言われればやるのが軍人だ。
それが敬愛する上司からの命令とあらば従うのが当然だった。
本部大佐という高級将校とはいえ、オハラの詳しい罪状は知らされていない。
表向きは、古代の大量破壊兵器の復活を阻止するためらしいが、それだけではあるまい。
なにせ、相手は考古学者なのだ。知ってはいけない何かを知ってしまったのだろう。
つまり、真実は闇の中ということだ。
しかし、エヴァンジェリンがバスターコールを必要と判断した。
理由はそれだけで十分だった。
「ケケケ、ビビッテルノカ」
「い、いえ、そういうわけではありません」
表情に出ていたのだろうか、可愛らしい少女の人形――チャチャゼロに指摘される。
チャチャゼロは悪魔の実の能力によって作られた意志を持った人形である。
その実力は高く、悔しいが接近戦なら自分でも勝てない。
それはさておき、不安そうな表情をするなど将校失格である。
上官が不安を表せば、部下の士気にかかわる。あってはならないことだ。
慌てて気を引き締めると、くすくすという笑い声が隣から聞こえた。
「エヴァンジェリン中将、申し訳――」
「ああ、すまん。笑って悪かった。謝る必要などない。歴戦のお前でも不安になる。私だってそうだ。だが、それが人間というものだろう?」
「はっ」
同意するように短く返事をする。
中将でも不安になると聞いてどこか安心した。
「せめて『誇りある悪』として葬ってやろうじゃないか。世界に弓を引いたのだ。その覚悟はあるのだろう」
「我々も全力を尽くします」
闇の福音としての顔を見せた中将をみて、本気を感じとった。
『誇りある悪』という言葉を使った以上、手抜きなど許されない。
自らが羽織るコートの背には『正義』の二文字が記されている。
バスターコールが正義なのかは、正直分からない。
ならば、悪として手を汚し、引導を渡す役目も必要だろう。それが自分たちというだけだ。
矛盾している。だが、彼にとってエヴァンジェリン中将の言うことがすべてであり、他は慮外であった。
だからこそ、自分が『誇りある悪』の一員であることに疑いはない。
正義と悪は相対的なもので、一方にとって正義でも他方にとって悪になりうるのだ。
それに救われた"家族" たちのためにも、自分たちは悪となる。
『絶対正義』に見捨てられた人々を『誇りある悪』は救ってきたのだ。
そして、『誇りある悪』とは、エヴァンジェ
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