序章〜強くてNew Game?〜
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ゲームはまさにその言葉を体現していた。
気付けば、DMMORPG = YGGDRASILとさえ呼ばれるほど、日本では人気を博していた。
―――――だがそれも、一昔前の話である。
【ナザリック地下大墳墓】
かつてYGGDRASILが最も栄えていた時期に、1500人からなる討伐部隊を全滅させるという伝説を残したダンジョンだ。
そしてYGGDRASIL最高峰のギルド【アインズ・ウール・ゴウン】の居城だった。
ナザリック9階層には大理石でできた空間が広がっている。
その通路を抜けた先にはマホガニーでできた巨大な両開きの扉がある。
その中には黒曜石でできた巨大な円卓と41席の豪華な椅子が据え付けられている。
しかし、2席を除いて空席だ。
ギルド長を務めている骸骨姿の魔導士【モモンガ】と黒色のスライム【ヘロヘロ】の二人だけだった。
「お久しぶりです、ヘロヘロさん」
「おひさです、ギルド長」
「いつぶりでしたっけ?」
「うーん、転職して以来―――だったかな?絶賛デスマなうです」
「え、大丈夫ですか!?」
「全然大丈夫じゃないけど、今のご時世休み貰えませんからね。身体に鞭打ってやってます」
二人の間に声が聞こえるが、お互いの口は動いていない。
ゲームのチャット機能を使っているので当然だろう。
どれだけデータ量の多いYGGDRASILでも口まで生きているように動かす事はサービス終了日になっても不可能だった。
「―――それなのに来ていただいて申し訳ないです」
「何を仰いますか。こっちも久しぶりに皆と会えて嬉しかったですよ」
「そう言っていただけると幸いです」
「本当は最後まで付き合いたいんですけれど、ちょっと眠くて」
「あー……ですよね。ログアウトしていただいて構いませんよ」
「ギルド長はどうされるんですか?」
「私は一応最後まで残ります」
「そうですか―――モモンガさん、今までありがとうございました。またどこかで」
「ええ。お疲れ様でした」
最終日に呼びかけ、来てくれた団員は6人。その最後の一人の姿が消えた。
ギルドであるアインズ・ウール・ゴウンには緩いが加入条件がある。
1つ、社会人である事。
2つ、外見が【異形種】であること。
ヘロヘロとモモンガの二人が話していた内容はどれも仕事の愚痴だった。
何かを振り払うようなしぐさをして、モモンガはゆっくり立ち上がる。
座っていた部屋―――大広間には一本のスタッフが飾られていた。
7匹の蛇が絡み合い、それぞれ異なった宝玉を咥えた黄金の杖。
素人が見ても一級品であるそれこそ、ギルドに一つしか認められないギルド武器であり、アインズ・ウール・ゴウンの象徴ともいえる代物だった。
本来ならば、ギルド長が持つ
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