序章〜強くてNew Game?〜
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DMMORPG(Dive Massively Multiplayer Online Role Playing Game)。
フルダイブ技術の革新は、人々をゲームの世界に駆り立てた。
五感で感じるまま、ヴァーチャルの世界を闊歩できるそのゲームは革新的としか言いようが無かった。
その技術が最初に生まれたのは2079年。
最初は医療分野のみで試験的に行われていたものだったが、開発コストや設備の規模等問題は山のようにあった。それが10年の歳月を経て、設備の簡素化・コストの低減が行われて一般家庭でも所有する事が可能になったのだ。
しかし、システムそのものに難があり、最初のDMMORPGが発売されるまでさらに15年の月日が流れる事になる。
数あるDMMORPGの中でも【YGGDRASIL】が人気を博していたのは膨大なデータ量によるものだ。
作成できるキャラクターは大まかに分けて3種類。
人間やエルフをはじめとした【人間種】。
外見は醜悪だが高い性能を持つ【亜人種】。
モンスター能力を持つが様々なペナルティを受ける【異形種】。
種族だけをカウントするならば約420種類も存在する。
さらに職業の数は基本や上級職を合わせると合計880になる。条件が合致する必要がある為実際になれるのはその半分にも満たないが、それでも膨大である。
職業のレベルは最大15。プレイヤーのレベルは100でカンストするので、100レベルのプレイヤーは単純計算でも7つ以上は職を持っていることになる。
意図的でなければ、同じキャラを作ることはほぼ不可能なほど、膨大なデータ量。
また、やり込み要素もクリエイターツールを用いれば武器・防具の外見や自分の外装、自分の住居でさえ詳細に書き換えることが出来る。
当然、日本のクリエイターが黙っているはずもない。
ネットの掲示板や公式ホームページではプレイヤーたちが自作したデータが無料・有料を問わず配布され、神職人と呼ばれる存在やイラストレーターとのコラボ外装のプレゼント、果ては人工AIによる戦闘AIやペットAIが出現した。
後に外装人気と呼ばれるブームである。
ゲームフィールドも広大である。
アースガルズ、アルフヘルム、ヴィナヘルム、ニダヴェリール、ミズガルズ、ヨトゥンヘイム、ニヴルヘルム、ムスペルヘイム、ヘルヘイム―――。
神話に代表されるこれらの世界はそれぞれ東京23区の約3倍の面積を誇る。
それぞれの世界でしか手に入れられない素材を求めて冒険するプレイヤーが、辺境で自分以外のプレイヤーと遭遇しなかった、という事例も珍しく無かった。
このゲームの開発メーカーは「強さがすべてではない」と言っていた。
これまでのように戦闘を行うだけではない。無限にやり込む要素を持ったこの
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