提督の居ない日常・その3
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女を私は尊敬します!……私?私はそんな面倒臭い事はしたくないのでしませんよ。
「……そうだったわ。緊急かも知れない案件だから報告しに来たの。提督が居ないのは残念だけれど」
「……仕事は仕事、聞いてあげるネー」
2人はお互いにイヤそうな顔をしていたが、雲龍さんの報告会が始まった。
「……妙な深海棲艦の艦隊、ですか?」
「えぇ、まだ噂話程度のレベルだけど」
ゆっくりと話を聞く為に、少し早いですが休憩を兼ねてお茶を淹れました。午前中は紅茶とコーヒーだったので、午後はお茶にお団子です。緑茶なら金剛さんにも負けませんよ?
「護衛していった先の港で聞いたのだけれど、最近深海棲艦が襲う船の種類が変わってきたという話を聞いたわ」
「襲う船?奴等は船と見るなら見境なく襲うのでは無いのか?」
「最近、輸送船を重点的に襲う例が増えているようですね」
「通商破壊、って奴ネー」
「えぇ、その中でも以前は重油やボーキサイト、鋼材なんかを載せた船が狙われていたのだけど、最近は食糧を載せた船が多く狙われているらしいわ」
「食糧?そんな物を襲って何になる?」
アークさんは楽観的に捉えているようですが、これは由々しき問題です。
「兵糧攻めの可能性があるネー……」
「金剛さんもそう思われますか?」
「兵糧攻め、とは?」
「その名の通り、食料や飲料水の供給を断ち、相手の自滅を誘う作戦です」
「見た目は残酷だけど、味方の被害は少ないし、効果的な作戦だヨ」
兵糧攻めとして有名なのは、豊臣秀吉が黒田官兵衛と行った鳥取城と三木城攻めが有名ですね。後は武田信玄がやったと言われている『もぐら攻め』も有名でしょうか。
「もぐら攻めとは?」
「地下にトンネルを掘り、水源である井戸を破壊したり毒や人糞なんかを入れて使用不能にするんだそうで」
人間、生命維持には水が一番大事ですからね。
「……流石はサムライの国、考える戦略がいちいち効果的で恐ろしいな」
アークさんがその話を聞いて、ぶるりと身体を震わせます。まぁ、侍が生まれて500年近く、あの狭い島国で殺し合いしてたんですから様々な戦略・戦術が生まれもしますよね。
「日本軍もWWUの時に連合軍から同じような事をやられてるネー。有名なのはガダルカナルかな?」
「ですね。ガ島と呼ばれていたから、餓死の島……餓島と呼ばれる位に補給線を断たれた訳ですから」
それもあって提督は食糧の自給自足が可能な環境を整えているのでしょうね。そういう慧眼には恐れ入ります。
「それで、もしも奴等の狙いがその兵糧攻めだとしたら次の奴等の狙いはどこだ?」
「恐らくは本土の港湾施
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