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マイ「艦これ」「みほ3ん」
EX回:第61話(改1.5)<海行かば艦娘>
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イでは皆さン降ります」
運転手さんは手際よく降車の準備をする。

日本では派手にしか見えない艦娘たちも、ここブルネイの熱帯地方では意外に街の雰囲気に溶け込んでいた。彼女たちの端正な顔立ちと相まって、まるで民族衣装をまとった団体に見えるから不思議だ。

そんな彼女たちを見ていて、ふと感じた。
(もともと艦艇である彼女たちは海を越える存在だ。日本というちっぽけな国だけに留まっては、いけないのだろう)

だが、このイスラムの国ブルネイでは、さすがにこの出で立ちでは難しい場所も多いだろうが。

運転手さんは携帯で何処かに連絡を取っている。パッと見は人の良いオジサンにしか見えないが電話をしているときの目つきは鋭い。恐らく諜報員だろうと察した。
(人は見かけによらないものだな)

曲がりなりにも海軍の提督ともなれば中将以上が多い。だから、きっとブルネイ提督の奥さんも、それなりの身分の人で、相応の場で提督と出会う縁があったのだろう。

やがて2隻の渡船ボートが桟橋に横付けする。

それを見た運転手さんは、急にもとの明るい笑顔に戻る。
「サァ、皆さん。遠慮なく乗って下サイ!」

艦娘たちも、まさか自分たちが改めて船に乗るとは思っていなかったようで口々に感嘆の声を上げた。
「Woo! カワイイネ」
「きゃあ! お姉さま押さないでっ!」
「あらぁ、優雅ねえ」
「……勝った」

最後の日向のセリフが、いったい何を意味するのか謎だが。

私たちは二手に分かれて乗船した。ブルネイ提督は慣れているのだろう。その義兄の親族らしき人と何度も目配せをしている。当然、敵ではないが妙な雰囲気だな、こういうのって。

「では皆さン、出しますヨ!」
あの運転手さんが声をかけると船は、ゆっくり桟橋を出発した。大きな川には無数の船が行き来している。

「ああ、ここは水の都なんだな」
私は実感した。



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