=体育祭編= コンビセレクト
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だが、一人でに何かの発想に思い至ったのか、偽砥爪は目を見開いて砥爪を見た。
「貴様、まさか『天然品』なのか?………く、ふふ。ふふははははは………傑作だ。傑作だ傑作だ傑作だ!!まさかあの道化の愚物が!!我らを産みながら滅ぼす偽善の愚者が、『俺たちを否定しながら兄弟を作るとは』ッ!!ああ、腹がよじれそうだ。腹筋がはちきれそうだ!道理で何も知らぬ顔をしていると――思ったよぉッ!!」
また、一人勝手に盛り上がった偽砥爪は突然動きを止め、俺の目に未来が映る。
「打ってくる!迎撃しろ!!」
「……ッ!?あ、ああッ!!」
瞬間、偽砥爪の両手から二つの衝撃波が、砥爪の片手から暴風のような衝撃波が放たれた。音速に近しい速度同士で衝突した衝撃波は――偽砥爪の衝撃波を散らせた砥爪の衝撃波が偽者を吹き飛ばす事であっけなく決着がつく。
偽物はもんどりうって廊下の端に衝突し、壁がひび割れる。咄嗟の放出だったためか、死ぬほどではなくとも相当な威力の衝撃波を放っていたらしい。
「この、出力………やはり、天然――」
けはっ、と息を吐きだした偽物は、何がおかしいのか嗤いながら――がりっ、と何かを噛み、床に倒れた。そして、そのまま立ち上がる様子を見せることはなかった。
「……なん、だったんだコイツ」
「……俺だって知りたい。何で、俺の顔が何人も……」
この訳の分からない事態は、数秒後に音を聞きつけた雄英教師のハウンドドッグが鼻息荒く駆け付けたことで一端の終息を見た。俺と砥爪はとりあえず簡単に状況を説明し、決勝トーナメントに勝ち進んでいた俺は先に会場に行くということで話が決まった。当然、今回起きた事は競技終了後に事情聴取するから周囲に言いふらさないように、という条件付きで。
この不可思議な襲撃事件が、後に俺と砥爪の運命を驚くほど強固に結びつけることになる事を――この時の呑気な俺は、まだ知る由もなかった。
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