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=体育祭編= コンビセレクト
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試合と続く怒涛の第二試合(砥爪と頼野が追加されて轟一強も揺らぐ程の大激戦だった)が終了して少しの休憩時間の間、俺は休憩室で仮眠を取っていた。一、二回戦ではそこまでフルに個性を使わなかったので温存は出来たものの、なるだけ寝貯めしたかったからだ。
 俺の個性は使えば使う程、後で睡魔の反動がドカンと出る。カフェインカプセルとかで一時的に誤魔化す事は出来るが、その分だけ後の睡眠欲もドドンとレイズだ。

 という訳で確か5分程度の仮眠を取った頃だった。
 前にも話したかもしれないが、俺の個性は自主的発動ではなく自動発動が基本で、自主発動は訓練で出来るようになった奴だ。なので、特に意識していなかったり眠りが浅いと、個性が自動発動して未来が見えちゃう事がある。

 見たのだ。かなり混乱する瞬間だったし、目覚めた後も暫く茫然としてしまったが、その光景の内容は衝撃的だった。

 『砥爪がもう一人の砥爪の手で腹を貫かれる』。そんな、瞬間だ。

「――は、ぁ?」

 体操服を着ててさっきの乱戦で出来た擦り傷もある砥爪を、なにか違和感のある無傷の体操服砥爪が貫いていた。それを理解した瞬間、俺は休憩室を飛び出して砥爪のいそうな場所を虱潰しにダッシュした。何が何だか分からなかったが、このままにできないと思った時にはもう走っていた。

「どこだ!どこだ!ええと、外の光は殆ど入ってなくて、人の通りは多分少なくて、剥き出しのパイプが壁に三本くらいあって、ええと、くそっ……!何でこんな時にこんなッ!」

 砥爪来人という男の事を、俺はよく知らない。
 知っているのはデクくんと同じ学校の出身で、過去に何やら軽々しく言えない何かが起きた、強力な個性を有するヒーロー候補だ。人格的には最低限の優しさはあるが、基本的には冷めているというか、自分の事で精一杯。しょっちゅう授業とは関係ないところで怪我してて――ふざけんなよ、こんなにあっさり死ぬような因果抱えた奴だったなんて知ってたら、もっと――いいや、それは言い訳だ。

 焦るな、思考を巡らせろ。砥爪が二人いるなんて聞いたことがない以上、もう一人は後から入ってきたんだ。控え室とかは身内ならば入る事も許されてたっぽいから、部外者が入ってくる方向。そして砥爪の休憩室の近くと仮定して――非常階段近くの道端か!
 俺の予想は、的中した。そこにはまだ争う空気ではない『二人の砥爪』がいた。
 砥爪――体育祭に出ていたのが真砥爪なのか、入れ替わっているのかすら俺には判別できない。ただ、刺すにしろ刺されるにしろ、この雄英の内部でそういった事が発生するのはまずい。なら、どうする。未来は俺が何もしなければ確定する以上、ここで必要なのは――!!

「砥爪、そいつは敵だッ!!」
「「ッ!?」」

 その声を聴いた瞬間、1人はハッ
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