134部分:第十一話 プールでその一
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第十一話 プールでその一
第十一話 プールで
「それでさ」
「今度の日曜」
「それでいいわよね」
「ええ、いいわよ」
星華はまた三人と話していた。クラスの教壇のところで立ちながらだ。そのうえで彼女達と明るい顔で話に興じているのであった。
「じゃあそれでね」
「やっとテストも終わったしね」
「本当に。もう数学」
「ああ、あれね」
「滅茶苦茶難しかったわよね」
話は自然とテストのものにもなった。
「まさかあんなに難しいなんてね」
「私まずいかな」
ここで星華は少し困った顔になるのだった。
「赤点じゃないかしら」
「大丈夫じゃないの?」
「ねえ」
しかし周りはこう言うのだった。
「別にね」
「勉強したんでしょ、ちゃんと」
「それならね」
「赤点にはならないわよ」
「だったらいいけれど」
励ましの言葉を受けてもだった。星華の顔色はまだ明るいものにはならなかった。
「それで」
「だから大丈夫よ」
「それよりもよ」
「もうテストは終わったんだし」
三人は明るい顔で星華に言ってきた。
「日曜よ、日曜」
「あのアーケードってそんなにいいの」
「そうよ、色々なお店があってね」
「食べ物も美味しいしね」
三人は明るい顔でそれぞれ星華に話す。
「だから行きましょう」
「星華ちゃんも楽しめるから」
「おうどんとかね」
「あっ、おうどんの美味しいお店もあるの」
うどんと聞いてだった。星華は笑顔になった。
「そうなの」
「おうどん好き?」
「ひょっとして」
「うん、大好きなの」
それを自分でも言うのだった。
「お蕎麦も好きだけれど」
「へえ、和食派だったの」
「そうだったの」
「和食だけじゃないけれどね」
微笑みながらの言葉だった。
「それでも。おうどんはね」
「特に好きなの」
「じゃあ丁度いいわね」
「そう、おうどんね」
星華の目がきらきらとなっていた。美味しいものがあると聞いたその顔で、である。三人に対してさらに言ってきたのであった。
「天麩羅うどんがいいかしら。それとも鴨なんばがいいかしら」
「あっ、そのお店ね」
「うん」
「本当の鴨使ってるから」
「えっ、そうなの」
それを聞いてだった。さらに明るい顔になる星華だった。
「本当の鴨をなの」
「鶏のもあるけれどね」
「へえ、どっちもあるの」
「あっ、星華ちゃんって鶏肉も好きなんだ」
「そうなのね」
「そうなの。もう親子丼とか大好きで」
それもだと。笑顔で三人に話すのだった。
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